【T.M.Revolution】T.M.Revolutionの
様式美にのっとりながら温故知新した
アルバム!

約4年振りに発表されるオリジナルアルバム『天』は、アニメ・ゲーム『戦国BASARA』シリーズのテーマ曲「Count ZERO」や「FLAGS」などシングル曲も収めながら、新曲もたっぷり収録した、これぞT.M.Revolution!といった作品になった。
取材:榑林史章

アルバムとライヴの乖離が激しく アル
バムからライヴが想像できない

ついにアルバム『天』が出るわけですが、個人的には「突キ破レル -Time to SMASH ! 」のミュージックビデオで聴かせていた、フュージョンとロックとJ-POPが融合したみたいな演奏がアルバムでも聴けるのでは?と思っていたのですが、さすがにそこまではいかなかったですね。

僕個人としてなら、全部それでもいいかなと思いましたけどね。でも、そもそも僕の中でのアルバムの位置付けって、ライヴをやるためのきっかけ作りのような感覚もあって。ライヴとアルバムはどっちが上とか下とかではなく、アルバムからライヴがとんでもなく飛躍してしまってもいいと思っているんですよ。結果的に、よりアルバムとライヴの乖離(かいり)が激しく進んでしまって、もはやアルバムからライヴが想像できないものになってしまっているけど(笑)。

アルバムはアルバムとして、ライヴはライヴとして楽しんでもらえたらいいというような感覚?

そうですね、良くも悪くも別モノという感覚です。まさにおっしゃっていただいた「突キ破レル-Time to SMASH!」から、こうなるということのフラグを立てていました。

今回でアルバムは10枚目ですけど、どんなアルバムにしようとか、コンセプトはあったんですか?

T.M.Revolutionの場合、通常のアルバム制作とは考え方がちょっと違うんです。本来なら事前にアルバムのコンセプトを立てて、それに向かって作っていくというものになるんでしょうけど、T.M.R.はタイアップのお話をいただいて、シングルをリリースしていくことが多かったので、それらをひとつにまとめるには、どんな楽曲がいいかとか、どんな曲調が必要か、という考え方で作っていくやり方なんです。あと、これまでのアルバムで様式美的に完成されていたものがあるので、その様式にのっとってあえて作っていった部分もあって。例えば、メジャーなバラードとマイナーなバラードの両方が入っているという選曲のバランスは、過去のアルバムの作りを踏襲しています。

では、アルバムタイトルの“天”というのは?

1曲目のインスト曲「The ether」が“天空”という意味だし、「AMAKAZE -天風- 」とか「HEAVEN ONLY KNOWS 〜Get The Power〜」という曲もあるし。新曲の「CRIMSON AIR」という曲の“AIR”は、空気ではなく空を象徴したものとして使っていたりとか、全てが“天”にかかっています。実は、前アルバムの『CLOUD NINE』の時から、次は10枚目だから、“10=TEN”にかけたダブルミーニングのタイトルにしようと、漠然と考えていたんです。

“天”という漢字の表記もその時に?

7枚目のアルバムが『SEVENTH HEAVEN』で、9枚目が『CLOUD NINE』と、ずっと天上界的なものをイメージしたタイトルだったので、自ずと10枚目は“天”だと。

今作には“The edge of Heaven & Revolution”というタイトルの曲もありますし、天上界の9番目の階層から、ついにてっぺんまで届いたみたいな?

…(笑)。あくまでも、これまでの流れにのっとったものなので、宗教的な意味合いはまったくないです。

収録曲で「AMAKAZE–天風-」はギターサウンドの曲で、Additional Arrengementとして西川さんの名前と、ツアーのバンドにも参加しているギターの柴崎浩さんの名前がクレジットされていますが、どういったアレンジのやり方でしたか?

これはゲーム『レイギガント』の主題歌というタイアップをいただいて作っていったもので…最初にライヴとアルバムの乖離が激しいという話をしましたけど、アルバムに収録することを考えた時、ライヴの雰囲気を感じていただけるような曲が、少しでもあったほうがいいと思ったんですね。そこで、ずっとツアーにも参加してくれていたり、abingdon boys schoolでも一緒に曲作りをしている柴崎くんに声をかけて、ギターを入れてもらいました。

西川さんと柴崎さんの名前が、こういったかたちでクレジットされたことは今までもありましたか?

8枚目のアルバム『vertical infinity』の時、「もはや君なしじゃ始まらない」という曲で柴崎くんとふたりで編曲をしたことがあります。そのアルバムでは、僕単体でも数曲編曲をしていましたね。

ギターという部分では、今作の収録曲で「Dream Crusader」もギターを全面に活かしたロックバラードになっていますね。

これもデモから発展させて、あとで柴崎くんにギターを入れてもらったので、彼のギターが肝になっています。そもそもシンプルな構成とコード進行で、めちゃめちゃ素朴な曲だったんですけど、そこから発想をどんどん膨らませていって。レコーディングの時は、ギターオーケストラみたいなかたちで柴崎くんに何本も弾いてもらって、音に厚みを出しました。ギターソロも弾いてもらっていて、このソロはクイーンのブライアン・メイみたいで、本当に好きですね。彼はヴォイシングの仕方が本当に上手いんですよ。

柴崎さんの他には、ライヴでのバンドのメンバーが参加されているのですか?

ボーナストラックの2曲、「突キ破レル -Time to SMASH ! (Re:boot)」と「Thread of fate (Re:boot)」は柴崎くんをはじめ、今やっているツアーのバンドメンバーでレコーディングしています。アルバムはアルバムで、また違うメンバーでやっているので。

OKMusic編集部

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