L→R たく(Ba)、LOVE大石(Dr)、PON(Vo&Gu)、イコマ(Gu&Cho)

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【ラックライフ】自分の中の変わらな
い部分を違うかたちで表現できたラブ
ソング

ニューシングル「アイトユウ」はラックライフには珍しいミッドテンポのラブソング。ラブソングは実は苦手と語るPON(Vo&Gu)にその理由を尋ねてみたところ、誠実な曲作りと彼の真っ直ぐな人柄が伝わってきた。
取材:山口智男

表題曲の「アイトユウ」はラックライフには珍しいミッドテンポのラブソングですね。

最近、結婚式に呼ばれる機会が増えてきて、結婚するって素晴らしいって思ったんですよ。家族って人生において大事なものじゃないですか。たぶん生きてる中で大事なものランキングのトップ3ぐらいに入ってくると思うんですよ。で、“新しい家族ができる結婚ってなんやろ? ヤバいな”って感動してたら、高校の同級生が8年ぐらいずっと付き合っていた彼女と結婚することになって。じゃあ、そのふたりに向けて曲を書こうって思って、滅多に書かないラブソングを書いてみました。ラブソングってそういうきっかけがないと書けない。だって、こっぱずかしいじゃないですか(笑)。レパートリーが100曲ぐらいある中でラブソングは5~6曲しかないし。でも、友達のためにと思いながら書き始めたんですけど、書いているうちにどんどん自分の曲になってきて(照)。だから、ほんと恥ずかしいんですよ。

今回は3曲が収録されている中で、落ち着いた曲調の「アイトユウ」を表題曲にしたところがちょっと意外に思いました。

僕も思いました。レコーディングの段階では、どれを表題曲にするか決めてなかったんですよ。3曲どれもリードにできると思ってたので、録ってみてから決めようかって。それで録ってみたら、どれも良かったんですけど、やっぱ思い入れがあるせいか、出来上がった3曲を聴いたら「アイトユウ」に感動してしまって(笑)。もうこれしかないでしょ!ってテンションになってしまったんです。友達の結婚式で、この曲が流れているところを想像したら泣けてきちゃって。だって、それって幸せすぎるじゃないですか(笑)。

「アイトユウ」ってタイトルは、“愛と言う”という意味と“私(I)とあなた(You)”という意味のダブルミーニングなんですよね?

それともうひとつ。“I”と“You”の“Y”は結婚するふたりのイニシャルで。だから、個人的にはトリプルミーニングなんです(笑)。

後悔と決別して、前に進む決意を歌ったアップテンポの2曲目「ラングレット」のような曲が一番ラックライフらしい曲なのかなと思うのですが、「アイトユウ」のようなほっこりできるラブソングをもっと歌ったら女性ファンから喜ばれるんじゃないですか?

でも、ラブソングってどう歌ったらいいか分からないんですよ。昔からラブソングを歌う時、僕、お客さんを全然見れないんです。歌の対象をお客さんに変換できる曲はいいんですよ。ラブソングなんだけど、“一緒に生きていこうね”みたいな意味合いに自分の中で変換して、MCでもそういうふうに言ったら、ちゃんとお客さんの顔を見ながら歌えるんですけどね。やったらいいんじゃない?ってよく言われるんですけど、ラブソングをライヴで歌うのって昔から苦手ですね。別に無理してやらんでもいいのかな(笑)。

もちろん、3曲目の「シネマ」のようにファンも含めた誰かを励ますような歌もあるんだから無理にラブソングを歌う必要はないと思いますけどね。

「シネマ」はもう、“頑張れ! 頑張れ!”としか言ってない(笑)。

この曲は《大丈夫君なら》と歌いながら、同時に《無責任に言わして君の事》と歌っている無責任さがすごくいいと思いました(笑)。

だって無責任じゃないですか(笑)。何も人のこと知らへんのに、“おまえならいける! 頑張れ! 大丈夫だ!”って言うって何の根拠もない。それをライヴでお客さんに向けて歌うなんて、そんな無責任なことないと思うんですけど、歌いたいんですよ。“あんたに頑張ってほしいんだよ”って思うし、その人がそこまで生きてきたことを自信にしてほしい。例えば、それまで頑張ってきたことを知ってる友人にだったら自信を持って“頑張れ!”って言えるじゃないですか。でも、お客さんに対して“頑張れ!”って言うのは、やっぱ躊躇があるんです。でも、よくよく考えたら、僕はあなたのことを知らへんけど、あなたの周りの人たちはあなたのことを知ってるし、信じてる人もたぶんいっぱいおるやろし…そういうことを考えたら、もっとみんな胸張って頑張っていいんちゃうかなって。昔はそういうことを気にせずに言えたと思うんですけど、最近はそうもいかなくなってきたんですよね。やっぱり、“頑張れ”とか“大丈夫”とかってすごく重たい言葉だから。でも、それを知ったからこそ、今言おう、今言いたいって思ったんです。根拠はないけど、あなたを信じてる人はいっぱいるだろうから、それを信じて頑張りなって。

それを変に取り繕わずに正直に《無責任に》って歌っちゃうところがいいんですよ(笑)。そんな今回のシングルなのですが、どんな作品になったと感じていますか?

新しくないけど、新しい…あれ? 新しいけど、新しくないかな。どっちでもいいんですけど、“改めて感”が自分の中にあります。昔は特定の誰かに向けて書いていた曲が、最近はいろいろな人に向けてということが多かったんですけど、「アイトユウ」のようにズバっとふたりに向けて書いたり、「シネマ」みたいに躊躇せずに“頑張れ!”って歌ったり、自分の中の変わってない部分を、これまでと違うかたちで表現できたのかな。勝手にリスタートしました(笑)。頼まれてもないし、そういう状況でもないんですけどね。おかげで同じメンバーで10年やってきたけど、まだまだ変わっていけるし、進んでいけるんだって思えました。“なんだ俺ら、まだまだひよっこじゃん。伸びしろ、バリあるじゃん”って(笑)。
「アイトユウ」
    • 「アイトユウ」
    • XQML-1003
    • 2015.04.22
    • 1080円
ラックライフ プロフィール

ラックライフ:2005年、同じ高校のクラスメイトで結成された大阪・北摂出身の4ピースギターロックバンド。前身バンドを経て08年3月にバンド名を現在の“ラックライフ”に改名。大阪、東京を中心に活動を続け、16年3月にはラックライフ8周年記念イベントを大阪なんばHatchにて開催し、800人を動員した。同年5月、シングル「名前を呼ぶよ」でメジャー進出を果たした。ラックライフ オフィシャルHP

OKMusic編集部

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