【Suzu】過去のSuzuも現在のSuzuも全
部見てもらいたい

昨年、カップを使った「LOVE TO YOU -by CUPS-」が話題になった沖縄出身のシンガーソングライター、Suzu。初のフルアルバム『未来地図』は、曲を作り始めた16歳から20歳の現在までのSuzuの想いが凝縮された作品に仕上がった。
取材:田中隆信

ついに1stフルアルバムが完成しましたね。

はい、過去のSuzuと現在のSuzuを全部見てもらいたいと思ったので、アルバムのために書いた新しい曲だけじゃなくて、インディーズの頃の曲も入っています。

アルバムのタイトルを“未来地図”にした理由は?

6曲目に「未来地図」っていう曲が入ってるんですね。高校2年生の時、シンガーソングライターになりたいと思ったんですけど、先生や周りの人からは無理だと言われて…。それでもなりたいと思って書いたのがこの曲なんですよ。思い入れが強い曲ですし、ライヴでもずっと歌ってきた曲なので、アルバムのタイトルは“未来地図”にしたいなって。あ、でも、この曲は新曲でもあるんです。

え!? 高校2年生の時に作った曲ですよね?

はい。16歳の時に作ってライヴでも歌ってきたんですけど、それは2分ぐらいだったんです。今回、アルバムに収録するということで、16歳の時の言葉も残しつつ、20歳のSuzu目線の言葉も入れて作り直したので、新曲でもあるんです。

そういう意味だったんですね。この「未来地図」もそうですけど、「step by step」「you can do it!」「ひかりの方へ」など、聴くと元気になれる応援ソングが多いのもSuzuさんの作る楽曲の特徴のひとつだと思ったのですが。

“恋愛をテーマにした曲を書いて”って言われたら恋愛ソングも作れるんですけど、テーマを決めずに曲を作ると勝手に応援ソングになってしまうんです(笑)。聴いてくれた人が元気になれるんだったら、これからもいっぱい作っていきたいと思います。でも、似たような言葉が多くなってしまうので、表現する言葉を増やすことが今後の課題ですね(笑)。

1曲目の最新シングル曲でもある「虹色color」は応援ソングだけど、何か新しい要素が入っている感じがしました。

『女くどき飯』っていうアラサーの女性が主人公のドラマのエンディングテーマだったので、歌詞の内容もちょっと大人っぽい曲になりました。明るくて、すごく好きな曲です。特に、楽器の音が小さくなって自分の歌をちゃんと聴かせることができているので、落ちサビのところが気に入ってます。

さっき“恋愛ソング”という言葉が出てきましたが、「I fell in love」はタイトル通り、まさに恋愛ソングですよね。

はい。恋愛ソングもいっぱい作ってきましたけど、唯一Suzuの実体験をもとに作った曲です。片想いの気持ちを歌にした曲で、ちょっと乙女な一面も見せたいなって(笑)。あと、「ねがい」も恋愛ソングですね。高校の時に男友達がSuzuと仲のいい女友達と付き合っていて、その男友達から相談されたことをもとに作ったので、男の子目線の曲になっています。こんな感じで実体験をもとに作ったり、友達の体験談をもとに作ったりもしますけど、妄想というか、ストーリーを想像して作ることが一番多いと思います。あ、「いちばん星☆」は恋愛ソングと思いきや、友情を描いた曲ですけど。

じゃあ、どちらかと言えば応援ソングなんですかね。

ですね。Suzuは沖縄出身で、東京に出てきました。北海道や東北に行った同郷の友達もいて、みんな夢に向かって頑張ってるんですね。10年後でもいいから、夢を叶えて、またみんなで会いたいねっていう気持ちを曲にしました。

他の曲のことも聞かせてください。「WE GOT THAT SOMETHING」はミニアルバム『step by step』に入っている「Open that door」の英詞版ですよね。

去年、北欧で配信リリースしたんです。プロデューサーのエリック・リボムさんの紹介で、バックストリートボーイズの歌詞も書いているアンドレアス・カールソンさんに英語詞を書いてもらいました。自分の作ったメロディーに他の方の歌詞が乗るっていうのも新鮮でしたね。日本ではリリースされなかったので、今回のアルバムに入れたいと思って入れました。

そして、「LOVE TO YOU –by CUPS-」。この曲でSuzuさんのことを知った人も多いと思いますが。

はい。イベントとかでもカップスで興味を持ってくれた人がたくさん観に来てくれましたし、すごく大切な曲です。この曲は全編でカップスを使ってますけど、サビだけカップスを使うとか、そういう曲もいつか作れたらいいなと思っています。

アルバムは「your smile」「Peaceful day(Acoustic Version)」という流れで終わっていますが、この曲順にもこだわりがありそうですね。

このアルバムを聴き終わった時にみんな笑顔だったらいいなと思って、「your smile」を最後のほうに持っていきたいと思っていたんです。プロデュースとアレンジをしていただいた野間康介さんに“カラフルな積み木みたいな曲にしてください”って難しいリクエストをしたら、イメージ通りに仕上げてくださいました。野間さんはすごく楽しい方で、歌詞の表現についてアドバイスしてもらったりして、Suzuとの相性もぴったりでしたよ。最後の「Peaceful day」は、平和な世界になればいいなと思って16歳の頃に作った曲です。最初はギター1本でレコーディングする予定でしたが、ギターの師匠とセッションしたらすごく良くて、アコギ2本でカントリーっぽい雰囲気にしてみました。この曲も「未来地図」のように、いつかバンドアレンジのフルバージョンを作ってレコーディングしたいと思ってるので、楽しみにして待っていてください!

アルバムのリリース後には1stツアーが予定されていますが、どんなツアーになりそうですか?

今、セットリストを考えてるんですけど、4公演あるので、日替わりで演奏する曲が1〜2曲あるのも面白いかなって思ってます。“Suzuのツアー、めっちゃすごかった!”って喜んでもらえるような普通じゃないこともやってみたいです。みんなで盛り上がりたいですね。
『未来地図』2015年05月06日発売UNIVERSAL J
    • 【初回盤(DVD付)】
    • UPCH-9999 4050円
    • 【通常盤】
    • UPCH-2027 3240円
Suzu プロフィール

スズ:1994年、沖縄県那覇市生まれ。何よりも音楽を聴くことや歌うことが大好きだった幼少時代を過ごし、小学6年生の時に父親にプレゼントされギターと出会い、16歳の頃から沖縄のライヴハウスやストリートでライヴを始める。12年11月にインディーズレーベルからシングル「うそつき」をリリース。13年春に拠点を東京に移し、14年2月にミニアルバム『step by step』でメジャーデビューを果たした。Suzu オフィシャルHP

OKMusic編集部

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