L→R  KISHOW(Vo)、e-ZUKA(Gu)

L→R  KISHOW(Vo)、e-ZUKA(Gu)

【GRANRODEO】これまで、あえてやっ
ていなかったことにチャレンジ!

人気アニメ『黒子のバスケ』OP主題歌として6曲目となる「メモリーズ」は、『黒子』もいよいよ完結ということで、これまでになくシリアスでクールな楽曲に。GRANRODEOのさらなる進化を感じさせるシングルだ。
取材:榑林史章

これまでGRANRODEOが手掛けてきたアニメ『黒子のバスケ』のオープニングテーマは底抜けに明るいイメージでしたが、今回はちょっとマイナーな陰のある雰囲気ですね。

e-ZUKA
話の展開的にバトルものというか、試合が中心でシリアスさが増していくということだったので。

イントロのギターがフュージョンっぽいと言いますか。

e-ZUKA
あのギターをフュージョンと受け取るか、アニメっぽいとかゲームっぽいと受け取るかは、聴いた人の世代でも変わると思うけど、確かにコード的にもフレーズ的にも、フュージョンっぽいかもしれないです。アニメのタイアップということを考えると、すごく絵が付けやすいと思うので、そういう意味ではアニソンっぽいとも言えると思いますね。

そのアニソンっぽさというのは、実は今までやっていなかったという。そういう意味では、灯台もと暗しだったかも。

e-ZUKA
そうですね。あと、意識したのは“若さ”という部分。ちょっと飛び出した部分があっても、平坦にならすのではなく、飛び出たままでいいじゃないかっていう。具体的に言うと、小節数が足りないとか多いとかあってもお構いなしで、ヴォーカルも息継ぎしないとか、サビの途中で転調するとか。アニソンにはサビの途中で転調する曲がわりとあるんですけど、俺はあえてやっていなかったんです。そういう今までやってこなかったことに、いくつもチャレンジしたということは、今回のポイントですね。

それは歌詞も同様ですか?

KISHOW
若さとかチャレンジとかはまったく意識しなかったけど、とにかく作曲が難産だったので、e-ZUKAさんの苦労が報われる歌詞にしようって。サビは息継ぎしないと話が出ましたけど、実際にサビの最初のセンテンスが異常に長いんですよ。まだ続くの?みたいな(笑)。だから、サビが勝負だなと思いました。そこで、その部分を印象的にしようと思って、《僕の愛をくらえ!》というフレーズの後に、また《Loveをくらってみろ》と重ねて歌っています。しつこい分、印象深いものにできたかなと思いますね。

その後に、さらに《drive me crazy》と続くわけですが。

KISHOW
本当に長いので、音が余っちゃったんです(笑)。この《drive me crazy》というフレーズは、特に1980年代〜1990年代のバンドさんによく出てくるので、ある種使い古されていて。俺もe-ZUKAさんじゃないけど、あえて使わなかったんですよね。でも、今回ばかりは苦肉の策というか、まぁいいや使っちゃえ〜!って(笑)。

2曲目の「僕だけの歌」は、青くて真っ直ぐで青春していて。実は、こっちのほうが『黒子』っぽいですよね(笑)。

KISHOW
実際にそう勘違いしている子たちも多い(笑)。
e-ZUKA
『ぐらP&ろで夫』というアニメの中で、主人公のろで夫が替え歌で歌っている曲の元曲なんです。アニメですでに替え歌バージョンが流れているので、ファンはそれを聴いて“すごく『黒子』に合ってる!”“きっと次の『黒子』のオープニングだ!”と評判になってしまっていて。また変に期待を裏切っちゃったかな〜って(笑)。

「僕だけの歌」は明るい曲調だし、歌詞はユーモアがあるし、かけ声をかけるところもあり、青春パンクですね。

e-ZUKA
ギターとベースとドラムだけで成立して、弾いてる自分も楽しい。バンドを始めた頃の感覚で作りました。
KISHOW
歌詞は粋なフレーズがいっぱい出てきます。頑張ってる自分をほめようよ!とか…これも90年代に誰かが歌っていたような気がしますけど(笑)。それに、よく等身大がいいって聞きますよね。じゃあ、等身大って何なのか分からなくても、いろんな人がいいと言うのだから、きっといいんじゃねえの?みたいな歌です(笑)。タイトルで“僕だけの歌”と言っておきながら、最後に《僕たち》って歌っちゃっているのがミソですね。

最後の「日常ホライズン」はイントロからe-ZUKAさんのスキャットが入っていて、すごくおしゃれ。スピード感があって、すごくクールなカッコ良さがある。

e-ZUKA
あそこはギターとユニゾンなんです。ジミヘンに「クロスタウン・トラフィック」という曲があるんですけど、まさにああいうのがやりたかったんですよ。アレンジとかギターでそういう自分の趣味を出して、でもすごく聴きやすいJ-POPという感じで作りましたね。
KISHOW
これは本当に好きな曲で、歌詞を書くのも楽しかったです。特に2番のサビのメロディーと言葉のハマりは、泣けるしグッとくると思うので、じっくり聴いてほしいです。

“日常ホライズン”というタイトルも面白い。

KISHOW
日常は地平線のように変わらずずっとあるし、地平線に囲まれているように、みんな何かしらの枠の中で生きている。それがきっと日常なんだろうなって。

しゃくっている歌い方をされていますが、こういう歌い方は珍しいですよね。アツいというか、エモいというか。

KISHOW
そうそう。エモい! エモく歌いました。曲を聴いた時点で、バンドっぽい感じの歌い方がハマるよなと思って。作詞する時も、歌った時のイメージを頭に描いていました。こういう歌い方もできるんやで〜みたいな(笑)。

そして、来る6月5日と6日に東京体育館で『GRANRODEO 10th ANNIVERSARY FES ROUND GR 2015』を開催されますが、出演者はわりとお馴染みのメンバーというか。

KISHOW
OLDCODEX、MUCC、FLOW、BREAKERZ、宮野真守と、全員武道館経験者のすごいメンツですけど、俺らが一番目立ってやりますよ! 俺らが主催だから、もちろんそうなんだけど(笑)。コラボがやれたらいいし、全組1曲ずつ俺らの曲のカバーをやってくれないかな〜と思っています。あと、俺は宮野の曲でも歌ってやろうかな〜って(笑)。
「メモリーズ」2015年06月03日発売Lantis
    • 【初回限定盤(DVD付)】
    • LACM-34346 1800円
    • 【通常盤】
    • LACM-14346 1300円
GRANRODEO プロフィール

グランロデオ:“KISHOW”こと声優でヴォーカリストとしても注目されている谷山紀章と、メロディアスな曲からハードなギターサウンド曲までアニメーション音楽に幅広く楽曲を提供し、ギタリストとして活躍中の“e-ZUKA”こと飯塚昌明のふたり組ユニット。2005年11月のデビュー以来、HR/HM調の楽曲を中心としつつ、ポップスやフォークなど多彩なジャンルを取り入れた楽曲を発表し続けている。GRANRODEO オフィシャルHP

OKMusic編集部

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