写真左上より時計回り、逹瑯(Vo)、YUKKE(Ba)、ミヤ(Gu)、SATOち(Dr)

写真左上より時計回り、逹瑯(Vo)、YUKKE(Ba)、ミヤ(Gu)、SATOち(Dr)

【MUCC】90年代を過大解釈した“ダサ
カッコ良い”最新作

彼らの青春時代でもある、メタル/ハードロックの全盛期だった90年代を現代解釈した、MUCCのコンセプチュアルなミニアルバム『T.R.E.N.D.Y. -Paradise from 1997-』が完成した。ヨーロッパツアーも成功した、世界基準の最新型サウンドに注目!
取材:フジジュン

近況としては国内ツアーから続くヨーロッパツアーを終えたばかりですが、感想や手応えはいかがです?

ミヤ
新曲を携えての海外ツアーというのは、ほぼ初めての経験だったんですけど、新譜が出る直前に海外に行けて、日本とは違ったノリを体感できたのはすごく良かったですね。やっぱり国ごとにお客さんのノリが違うんで、日本には日本の良さがあるんですけど、海外のほうが反応の早さがあって、両方のお客さんに両方のライヴを観せたいくらいです。

国内でのライヴは観させていただきましたが、ミニアルバム収録楽曲の7曲中6曲はすでにライヴで披露していますよね。

逹瑯
そう。だから、もうちょっと長く回りたかったって気持ちもあるけど、新譜を出す前のツアーって意味ではちょうど良かったかな? ヨーロッパはすごいバタバタしてて、トラブルもありつつ、そんなところも含めて楽しめました。イレギュラーなことがあると、逆に楽しめるタイプなんで(笑)。

印象に残ってる箇所はあります?

YUKKE
僕はフランスが印象的でした。男性客が多いんですけど、後ろのほうでお酒を飲みながら踊っているおじさんがいたり、すごくいいなぁって。ビジュアル系とかアニメの流れで知ってくれる人も多いんですけど、そうじゃないところから知ってくれる人が純粋に音楽を楽しんでくれるのは嬉しいですね。
ミヤ
俺はモスクワもトラブル込みで良かったし、イギリスもしばらく行けてなかったんですけど、待っててくれたお客さんがすごく熱くて嬉しかった。
SATOち
久々にやった場所だからこそ、感じることも多くて。毎年行ってたら感じない感覚や刺激がありましたね。“そうだ、フランスはブラジャーが飛んでくるんだ!”とか。

わはは、フランスはブラジャーが飛ぶんですね!

YUKKE
ブラジャーはいいけど、逹瑯がよく海外向けのMCで“I am Pencil”って言っていて。それが思ったより浸透してて、デッカイ鉛筆がステージに飛んできたんです(笑)。

いろんなかたちの愛情表現がありますね(笑)。新曲を携えての海外ツアーということで、今作は制作前から海外の反応を意識した部分もあったのですか?

ミヤ
いや、特に意識はしなかったですけど、“日本人ならこのメロディーだよね”って考えた部分はありました。普段のアルバムだったらこうしてたメロディーラインを、今回はあえて日本っぽくと考えた部分はあったかもしれない。

なるほど。今回の『T.R.E.N.D.Y. -Paradise from 1997-』は本当にカッコ良い作品が完成しましたが、昨年リリースの『THE END OF THE WORLD』からの流れとは、明らかに文脈の異なる作品になりましたよね。

ミヤ
“90年代のサウンドと歌詞を現在の音楽とミックスする”というコンセプトをひらめいたのが昨年末、『KNOTFEST JAPAN 2014』を観に行った時だったので、まったく違くはないと思うんですけど。コンセプトありきってところが、今までとの違いですね。普段はゼロから作ることが多いので、コンセプトがあって作るというのはすごくやりやすかったし、かたちにしやすかった。

なるほど。ルーツ的な音楽の現代的な解釈というか、90年代メタル/ハードロックをベースに、ダサカッコ良さを追求した楽曲たちという印象でした。

ミヤ
そう、“ダサカッコ良い”が正解かな? 青春時代を過ごして、深く刷り込まれている90年代テイストを過大解釈してる部分はあると思うけど、そこが面白いと思うし。

かと言って、原点回帰的なものやノスタルジックなものにはなっていなくて、最新型のMUCCサウンドになっているという。

逹瑯
僕も具体的な説明はなかったんですけど、曲に散りばめられていたんで、そこを感じながら作業を進めていって、楽しかったですね。最初に出来上がった曲は何だったっけ?

僕、両極端に振り切った「睡蓮」か「TONIGHT」じゃないかと思ったんですけど、違います?

YUKKE
違いますね、「睡蓮」はかなり後半だったよね?
逹瑯
えっと、「D・f・D (Dreamer from Darkness)」「HATEЯ」(正式表記はЯの上に×印)「B.L.U.E -Tell me KAFKA-」って順番できて、その後に「レインボー」がきて、「TONIGHT」の原曲ができて…そこで1曲目が浮かんだのか、“こんな感じ!”って「睡蓮」ができた。「TONIGHT」はミヤが“アレンジを練ってくる”って寝かしてたんで、出来上がったのは最後ですね。

ラストを飾る「TONIGHT」は“90年代オマージュ”ってところですごく明快な曲で、ひとつ象徴的な曲にもなっているから、ここからイメージ広がったのかなとも思ったのですが。まさにこの曲で締め括ったんですね。ライヴでも1曲目に「睡蓮」でド肝を抜いて、本編ラストを「TONIGHT」で締めていたし、この2曲は作品でもライヴでも鍵になってました。

逹瑯
ヨーロッパではアンコールラストに「TONIGHT」をやったのかな? 実際にやってみた感じ、本編ラストより本当にドンケツでこの曲をやるほうが僕は好きでしたね。お客さんも何の情報もなく、“どんな曲やるんだろう?”みたいなツアーで、蓋を開けてみたら3分の1が新曲だったから、面白がってくれたと思うんですけど。

僕も興奮しながら観てました。しかも、まったく新しい挑戦ではなく、ミヤさんも言ってたように深く刷り込まれたものがベースになってるから、お客さんの反応も早かったし。

YUKKE
確かに他のアルバムツアーよりは反応が早いなというのは感じましたね。初日はすごい聴いてる感じあったけど、2日目とかはすごくノリも良かった。
逹瑯
EX THEATER ROPPONGI でやった後、ヨーロッパに行く直前にTSUTAYA O-EASTでやったんですけど、東京2本目だったんで、同じ曲を2度聴いたお客さんの反応はすごい良かったですよ。自分の中でもライヴのテンションに新曲たちが擦り合っていくのが早かったので、すごく楽しかったですね。今までのアルバムツアーよりも、ライヴモードになっていくのが早かった。

OKMusic編集部

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