【グッドモーニングアメリカ】バンド
の一体感、絆の強さを示したセルフタ
イトルアルバム
ニューアルバムのタイトルは“グッドモーニングアメリカ”。従来の金廣真悟(Vo&Gu)が全ハンドリングを取る楽曲制作とは異なり、メンバーが曲の原案を持ち寄る試みにチャレンジしたことで、現在の彼らの状態がリアルに表現された作品に仕上がっている。11月27日の日本武道館ライヴに向けてさらに勢いが加速しそうだ。
取材:森 朋之
シングル「コピペ」「ハローハローハロー」を含む今回のセルフタイトルのアルバムは、金廣さん以外のメンバーが作詞作曲にさらに深く関わっていることが大きな特徴だと思いますが、その方向性はいつ頃決まったのですか?
金廣
前作(『inトーキョーシティ』)のツアーが終わった後だから、4月くらいかな。ペギから、そういうことをやってみたいという話があって。
ペギ
前のアルバムまでは金廣さんが大枠を作って、それを各パートに振り分けていくやり方だったんですよね。それはそれで良かったんですけど、前回のツアーの時にライヴ感が減ってきてるような感触もあって、“このままじゃいけないな”っていう想いが沸々と沸いてきたんです。何かを変えたいと思ったし、4人で曲を作るというのがいいんじゃないか?という話をしました。
金廣
原点回帰というか、みんなで1から作るのはアリかなと。0から1にする部分を自分ひとりでやってると、自分の色が強くなりすぎて、なかなかグッドモーニングアメリカにならないと思うんです。それよりも4人全員が立っている感じの曲を作っていきたいなと。役割分担にするのではなくて、みんなで全てに責任を負うのも良いことだと思ったし。
渡邊
ライヴのイメージが付くような楽曲に近づけたいというのもありましたね。みんなで合宿しながら制作できたのも良かったし、前作よりはライヴ感のあるアルバムになったと思います。
「低気圧の夜」は渡邊さんのアイデアがもとになった曲だとか。イントロのギターフレーズが印象的でした。
渡邊
合宿に入る前に“(曲のもとになる)フレーズやテーマをみんなで持ち寄ろう”ということになって。ヴォーカルのメロディーは金ちゃんに付けてもらいたかったから、ギターとしてどういうアプローチができるかを考えて、リフやフレーズ、コード進行などを10個くらい持っていったんです。この曲もイントロのギターとコード進行をもとにかたちにしていったんですよね。
歌詞のテーマも持っていったのですか?
渡邊
そうですね。切ない雰囲気があると思ったから、“失恋”をテーマにした歌詞がいいんじゃないかって。
金廣
そこからさらに話をして“雨の日”“男のほうがずっと引きずってる”という内容になって。幸ちゃんの昔の彼女を想像しながら書きました(笑)。
渡邊
そこまでは言ってないですけどね(笑)。メロディーもすごく良いし、歌詞も上手く膨らませてくれて。いい曲になったので、嬉しかったです。
たなしんさんは「ビッグバン」のもとになる曲を持ち込んだそうですね。
たなしん
パソコンである程度かたちにして、それをメンバーと一緒に曲にしていった感じですね。僕はずっと“ファイヤー!”って言ってて、ライヴの盛り上げ役でもあるから、そのことをテーマにした歌にしたいと思って、最初は“ファイヤー!”を歌詞に入れたいと思ったんだけど、金廣から“自分が歌ってるイメージが沸かない”と言われて、“そりゃそうですよね”みたいなやりとりがあって、“ビッグバン”になったんですよ。でも、エネルギーが爆発する感じが出せたかなって。
たなしんさんのキャラクターも反映されてるんですね。「オールグリーン」のハードロック感も新鮮でした。
ペギ
踊れるハードロックですね。自分の中にはラウド系が好きな部分もあるんですよ。最近、ツーバスを取り入れたこともあるし、こういう音も違和感なくやれるんじゃないかなって。僕のラウドなところと金廣さんのポップさがうまくはまってると思うし、今のグッドモーニングアメリカのバランスが出てる曲じゃないかなって。
リード曲の「ディスポップサバイバー」、さらに「友よ」「一陽来復」などのミディアムチューンを含め、全編を通して前向きな歌が多いのも現在のバンドのスタンスが表れている気がします。
金廣
「友よ」と「一陽来復」はペギが入ったばかりの頃に作った曲なんですよ。「一陽来復」なんて、歌詞ができてないのにライヴでやったことがあって。
渡邊
5〜6年前の話ですけどね。それくらい気に入ってたんでしょうね。歌詞がない状態でもライヴでやるっていう選択をしたくらいだから。
金廣
その頃の曲をアルバムに入れようと思ったのは、確かに気持ちが前向きだったからかもしれないですね。最近よく思うんですよ、“歌ってることは変わってないんだな”って。「友よ」も「一陽来復」も今聴いてもすごく響く楽曲だし、そういう作品をちゃんと作ってこれたのは良かったと思います。遠回りしたけど、自信を持っていいんじゃないかなって。
グドモのキャリアにとっても、大きな意味を持つアルバムだと思います。そして、11月27日の武道館ライヴが近づいてきましたね!
ペギ
自分の人生にとっても一大イベントですからね。バンドをやっていれば、ほぼ全員が“いつかは武道館でやりたい”と思うだろうし、自分たちがその状況にいるのは本当にすごいことだなって。
渡邊
少しずつ実感が出てきているし、武道館に向けた気持ちも変化しているし。ツアー(15公演のライヴハウスツアー『凌ぎ合うツアー2015』)が終わったばかりなので、そこで得たものもしっかり伝えたいと思います。
たなしん
気持ちは目に見えないからどうなるか分からないですけど、せっかくの大舞台なので自分の記憶にも、観てくれる人の記憶にも残るライヴにしたいです。そのために何が必要か、みんなで話し合いながら詰めていきたいですね。
金廣
この前のツアーには自分たちの仲間が参加してくれて、刺激をもらったし、“頑張ってこいよ!”って背中を押してもらって。4人だけではここまで来れなかったと思うし、関わってくれた人たちに対する感謝を素直に感じてるんですよね。そういう人たちが“応援してきて良かった!”と思ってくれるようなライヴにしたいと思いますね。
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『グッドモーニングアメリカ』2015年10月28日発売日本コロムビア
- 【初回盤(DVD付)】
- COZP-1091〜2 3292円
グッドモーニングアメリカ:ギターロック、メロコアなどを融合した音楽性、圧倒的なライヴパフォーマンスによって急激に注目度を高め、13年5月に発表したメジャーデビュー作でもある1stフルアルバム『未来へのスパイラル』がオリコンチャート11位を記録。15年11月には初の日本武道館公演を成功させ、18年はバンド結成10周年アニバーサリー企画『グッドモーニングアメリカからの10くらいの恩返し』を打ち立て、さまざまな企画にトライしている。グッドモーニングアメリカ オフィシャルHP