写真左上より時計回り、∴560∵(Ba&cho)、KOZO(Dr)、玉屋2060%(Vo&Gu)、アサミサエ(Vo&Key&Sampler)

写真左上より時計回り、∴560∵(Ba&cho)、KOZO(Dr)、玉屋2060%(Vo&Gu)、アサミサエ(Vo&Key&Sampler)

【Wienners】これを一度吐き出さない
と次につなげられないと思った

昨年メジャーデビューを果たすも、直後にメンバー脱退というアクシデントに見舞われたWiennersが、新メンバーを迎え、シングル「みずいろときいろ」で復活! 玉屋2060%(Vo&Gu)が偽らざる心境を語った。
取材:帆苅智之

復活第一弾シングル「みずいろときいろ」の話を訊く前に、改めて玉屋さんのメジャー1stアルバム『DIAMOND』(14年発表)に対する自己評価をおうかがいしたいのですが?

『DIAMOND』は、僕がWiennersを始めた頃から“こういうアルバムを作りたかった”と思っていたようなアルバムですね。僕はパンクやハードコアが好きでしたから、インディーズで出した1stアルバム(『CULT POP JAPAN』)の頃は、そのパンクやハードコアの方法論の中でしか衝動を吐き出せなかったんです。その枠を超えた広いものを作りたかったんですけど、それがずっとできなくて、『DIAMOND』でやっと、ちゃんとやりたかったことが落とし込めたと思います。あと、切羽詰まりながら“うぉーッ!”って感じで作っていたので、その鬼気迫るみたいなものをパッケージできたなと、個人的には思っています。

実際、今聴いてもスリリングだし、さまざまな要素が詰め込まれていて、充実作と呼ぶに相応しい。何よりもものすごくポップですし、『DIAMOND』は傑作だと思いますよ。

ありがとうございます。バランスも良かったですよね。今までは自分では“納得のいくものを作ったな”と思っても、周囲にとっては分かりにくかったりして。だけど、『DIAMOND』はちゃんとポップでキャッチーで…僕、もともとポップでキャッチーなものが好きなので、ちゃんとそれを共存させることができたなと。自分がやりたい音楽をきちんとポップに説明することができたと思っています。

ただ、その『DIAMOND』の発表後にメンバーが脱退しましたよね。充実した作品を作り上げた後だけに喪失感や失望感も強かったのではないですか?

あ〜…でも、僕には失望感みたいなものはなくて。あのメンバーで作れた最高峰が『DIAMOND』だったと思ったので、メンバーが変わるということに対して納得できたというか。なおかつ、自分自身はもっといろんなことをやりたかったし。だから、残念ではあったし、バンドが止まることはものすごく辛かったですけれども、“どうしよう?”ではなくて…世間的には1stアルバムを出して、“これからってときに何でだよ!?”と思われるようなことだったでしょうけど(苦笑)、自分自身はそれほどでもなかったです。これで納得いくものができていなかったり、“まだイケるのに!?”と思っていたりしたなら、失望感があったかもしれないけど、メンバーが変わるというのは次のステップへ進むくらいの感じでした。

なるほど。で、前メンバーの脱退が決まってから新メンバーを探したのですか?

はい。ドラムのKOZOくんは(Wiennersの)前のバンドから仲が良くて、彼のドラムはすごくいいと思っていたから、“何かのタイミングで一緒にバンドがやれたらな”とは思っていたので、前メンバーの脱退が決まってからすぐに声をかけて。アサミサエは僕らがよく出ていたライヴハウスで受付をやっていた子で、昔から“あのキャラクターはいいな”とずっと思っていたんです。ピアノの弾き語りをやっていた子で、シンセサイザーもサンプラーも触ったことがなかったんですけど、そこを“簡単だから。指2本だけで弾けるから、1回スタジオへおいで”って誘って…まぁ、実際は指2本だけじゃ弾けないんですけど(笑)、“これやってみて”“じゃあ、次はこれで合わせてみよう”“これはこうやって弾けばいいから”って説明して、その後に“ライヴが決まったから!”ってポンポン話を進めたら、もうやるしかない状況になって(苦笑)。でも、“熱いライヴをすることってこんなに楽しいんだ!”って知ってもらえれば、絶対に頑張れると思ったんですよ。彼女には“楽しく生きたい!”というような明るさがあるし、意外と頑張り屋さんですしね。

そうですか。では、本題です。いい意味で雑多感のあった『DIAMOND』に対して、今回のシングル「みずいろときいろ」はかなりストレートなパンクチューンに仕上がっていますよね。これは回帰なのか何なのか、率直に訊いておきたいところではあります。

ものすごくストレートだし、素直ですよね。何だかんだ言って休んでいた期間はものすごく辛かったんですよ。その辛かった時の気持ちを一度吐き出さないと、もう一度できないと思って。これからやりたいことはたくさんあって、もっと捻くれていくかもしれないし、どうなっていくか分からないんですけれども、どちらにしろこれを一度吐き出さないと次につなげられないと思ったんです。“これからこの感じでいくの?”って思われるかもしれないんですけど、そうではなくて、再スタートを切るには1度丸裸にならないと…という感じでしたね。

ここまでに溜まったものを出しておきたかったと?

もしかするとリスナーを置いてけぼりの発想なのかもしれないですけど、一度出さないと、何か引っかかったままのような気がしたんです。

歌詞に《まだ名前のないこの感情が今にも爆裂しちゃいそうなんだ》とありますが、まさしくそういう状態だったんですね。

はい。バンドが止まっていた時、好きな音楽をやれなかったわけで、本当にそのままのことを書こうと思ったんです。ここからもう1度バンドをやるって、ものすごく体力を使うことだと思うんですよ。この年齢になって半分メンバーを替えてスタートするわけですから。でも、こんなに辛いのに自分には“辞める”という選択がなかったんです。それでなおさら辛くて…幸せだけど辛くて辛くて、それでも辞められないわけだから、“だったらやるしかない!”という。これを乗り越えた時に日常では味わえない感動や興奮があることを知っているので、“もう一度あそこに戻りたい!”という気持ちがあったんですね。この先の景色を見たいし、それをちゃんと言ってWiennersを続けていきたいという。

メンバーチェンジしたことを示す意味でもストレートなバンドサウンドに仕上げたのかなとも思ったのですが、その辺はどうでしょう?

あぁ、それができるようになったところはあるかもしれません。今までは裸になることをどこかで怖がっているところはあったんですけど、“今このメンバーで音を出すならこれだけ脱げますよ”というところも大きいと思います。

もともといいメロディーを書く方ではありますから、今回はその素材の良さだけで勝負したような印象がありますよ。

捻くれることはやめようと思ったんです。自分で言うのも変ですけど、今回は普遍的なメロディーで、何も変わったことはしていない。料理に例えたら、ソースをべチャッとかけるんではなく、塩だけで食べてもらうようなものにしたかったのかもしれませんね。
「みずいろときいろ」2015年11月25日発売No Big Deal Records
    • 【初回限定盤(DVD付)】
    • NBDL-32〜3 1728円
    • 【通常盤】
    • NBDL-34 1188円
Wienners プロフィール

2009年初頭、玉屋2060%を中心に吉祥寺弁天通りにて結成。パンク畑出身の瞬発力と鋭さを持ちつつも、どこかやさしくて懐かしい香りを放つ男女ツインヴォーカルの4人組ロックバンド。予測不可能だけど体が反応してしまう展開、奇想天外かつキャッチーなメロディーで他に類を見ない音楽性とユーモアを武器にさまざまなシーン、世代、カルチャーを節操なく縦断し続けている。Wienners オフィシャルHP

OKMusic編集部

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