【LGYankees】自分の中に設けていた
着地点をはるかに上回った
仙台出身のカリスマアーティスト、LGYankeesが約2年振りとなるアルバム『LGYankees with Friends』をリリース!
取材:帆苅智之
全曲ゲストを招いたコラボレーションアルバムですが、これまでも数々のコラボをしてきただけに、レーベル移籍第一弾としてもっとも得意なスタイルを提示したといったところでしょうか?
もともとヒップホップをやっていたのでフィーチャリングは日常茶飯事というか、珍しいこととは思ってないんですけれども、強いて言うならば、やりたくてもひとりでは表現しきれないものを他のアーティストと一緒にやることで、何か違ったかたちで聴かせられるんじゃないかと思ってまして。
やはり、予期せぬものが生まれることがコラボの魅力なのでしょうか?
自分の中に設けていた着地点をはるかに上回って、“やって良かったな”と思うような曲ができることを今回久々に感じました。
特に想定を超えた曲を挙げてもらうとすると?
全曲解説をしたいところですが(笑)、“特に”となると3曲あります。まず、「届かない Missin' You with 城 南海」。南海ちゃんとは何年か前にコラボしたんですけれども、今回は彼女には思い切り僕らのほうへ寄ってもらい、僕らも彼女がやっている方向へ向かって、それらが途中で出会うような感じに仕上がっています。あとは、やっぱりアルバムのリード曲「Diamond Story with Noa」ですね。また凝りもせずウエディングソングなんですが、Noaと一緒だとそのイメージがめちゃめちゃ強くて、それしか思い浮かばなかったんです。僕らはファンからサプライズパーティーに呼ばれたりもするのですが、人生で何度もない門出に立ち会えたり、寄り添えたりするってすごいことだと思っていて。“結婚式で曲を使わせてもらいました”とか“ふたりの思い出の曲がLGYankeesです”という手紙をもらったりするとやっぱり嬉しいし、それ以上に人のために俺たちができることってラブソング以外にないなと思って(笑)。だから、これをやりましょう!という感じでした。
なるほど。さて、もう1曲はどの楽曲になるでしょう?
迷いますねぇ(苦笑)。…3曲目は「Drink it, my SAKE NINJAS with TAE WAN A.K.A C-LUV」ですね。
無国籍感というか、外国人監督が撮影した時代劇のサントラのような、不思議なサウンドのナンバーですよね。
TAE WANという名前でフィーチャーもしてる、C-LUVというプロデューサーがいまして。僕は海外のサウンドを真似て音楽を始めたんですけど、あのサウンドは日本人が作ってもなかなか再現できないんですよね。でも、彼は同じアジア人なのに、海外の音を作ることができるんですよ。で、“自分が10年間やってきてもできないなら頼ってしまおう”と思ったんです(笑)。今作は日本限定発売ではありつつも、今はSNSやYouTubeで海外にも発信できるので。“トラップ”という種類なんですけど、メジャーのラッパーもこの要素を入れていて、アメリカの主流になっている音楽で、“日本でも最先端のヒップホップをやっている奴がいる”ということを外に出そうと思って英語で取り組みましたし、海外の本気のサウンドを使いました。内容に関しても、日本人ではなく、外国人にリスペクトをいただきたかったので、刀の音や“Ninja”“Sake”というワードを使ってみたり。途中で“Chamisul”も出てきますけれど、これはフィーチャーした彼が韓国人だからというのもありますが…正味な話、アメリカからしたらアジアはごちゃ混ぜじゃないですか。例えば、外国人の監督がアジアの映画を撮る時などがまさにそうだと思うんですが。“だったら、もうそれでいいや!”という(笑)。結構アバウトに作っているんですよ。“アジア人がお前らの音楽に挑戦しているぜ!”みたいな感じですね。