L→R ハヤシコウスケ(Gu&Vo&Programming)、ハットリクミコ(Dr&Vo)、ヤマシタタカヒサ(Ba&Cho)

L→R ハヤシコウスケ(Gu&Vo&Programming)、ハットリクミコ(Dr&Vo)、ヤマシタタカヒサ(Ba&Cho)

【シナリオアート】今ある幸せに気付
けないと幸せにはなれない

明るい音像と温かいメッセージを届ける「エポックパレード」。遊び心に満ちた無国籍サウンドが楽しい「ジンギスカンフー」。リラックスしたモードから生まれた2曲を収録した1stシングルについてハヤシコウスケ(Gu&Vo&Programming)が語る。
取材:田中 大

「エポックパレード」、いい曲ですね。

ありがとうございます。先日リリースした『dumping swimmer』というアルバムは、自分たちの中にある黒いもの、陰の部分を出した作品だったんですけど、それによって気分を浄化できた感覚があったんです。そして、“次は希望に向かって進むような歌を書きたいな”と思ってできたのが「エポックパレード」なんです。自分の周りにある些細な幸せに気付くことができたら、人って幸せになれるんじゃないかなということを歌っています。

何かに対してがむしゃらに取り組んでいると、実は手にしているはずの幸せって見過ごしがちですよね。

そうなんですよね。次々求めるばかりでは、どれだけ夢を叶えていっても常に飢える無間地獄に陥るということに気付いたんです。まずは今ここにある幸せに気付くスキルを持たなければ、どこに行っても虚しいままだなと思ったんですよ。

ということは、今ここにある幸せに気付くスキルを、もともとはあまり持っていなかったということですかね?

そのスキルは全然ないと思います(笑)。飢えることの連続で前へ進めていたところもありますから、それを否定するつもりはないんですけど、近くにある幸せに気付けないと幸せにはなれないんでしょうね。求めるばかりで苦しんでいる人って、たくさんいるんじゃないでしょうか。自分もそういうところがありますし。この曲を聴いて何かを感じて、心が軽くなってもらえたら嬉しいです。

バンド活動の中にも見失いがちな幸せってあるんじゃないですか? 例えば、ライヴにお客さんが来るっていうのも、ともすればありがたさを忘れがちですし。

ほんとそうですね。自分もたまにライヴを観に行きますけど、時間を作って会場に行くのは、すごい労力ですから。そういうお客さんがたくさんいてくださるという幸せに気付くことができれば、バンドとしても新しい冒険の始まりのような気持ちでまたスタートできるんだと思います。この冒険をずっとやり続けたいです。バンドってRPGのように闘いで傷付いたり、何かを成し遂げたりすることの連続ですよ。

壮大な旅ですよね。

はい。大変なこともありますけど楽しいです。青春をまだ続けている感じがあるんですよ。昔、バンドのメンバーが就職で脱退する時に“まだこの旅を続けたいのになぁ”ってショックだったのをよく覚えています。だから、今、メンバーと一緒に音楽に向き合えている日々って幸せですね。最近、バンドの雰囲気もいいです。それを3人が強く思えたからこそ、この先で掴める夢、未来があるんだと思います。

今回、レコーディングや制作の雰囲気も、今までと違った感じだったのでは?

環境はかなり違いましたよ。“明るくやってみようぜ”というのがあったので、初めてリゾートレコーディングというか、伊豆のほうのスタジオで合宿したんです。断崖絶壁から海が見えるスタジオでしたね。そういう景色を見ていると大きい気持ちになりました。気持ちとか雰囲気って大切なんですね。行くまでは都内でやったほうが効率がいいんじゃないかなと思っていたんですけど(笑)。明るい音像を作る上で、いい方向に引っ張られました。

カップリングの「ジンギスカンフー」もタイトル曲とはまた別の開放感がある曲ですね。遊び心を感じました。

これはめちゃくちゃ遊んでいます(笑)。自分たちは何でも考えすぎる癖があるので、“1回、肩の力を抜いて作ってみよう”ということになったんです。程良い“適当さ”みたいなのも必要なのかなと思ったので。でも、サウンドのバンドアレンジに関しては、ここ最近の中で一番凝っているかもしれないですよ。例えば、《少林寺》って言っている部分は、ポリリズムを使っていますから。

“ジンギスカンフー”というタイトルも冷静になって考えてみると、すごくふざけていますよね(笑)。

めちゃくちゃなめてますよね(笑)。ジンギス・カンとカンフーは国も違いますし、ジャッキーも出てきますし。こういうユーモアを大事にしたいという気持ちもあります。みんなでワイワイやりながら作った曲ですね。

誰が考えたタイトルなのですか?

(ハットリ)クミコさんだったと思います。こういうふざけていてキャッチーなタイトルを考えるのが、わりと得意なんですよ。

サウンドはチャイニーズな雰囲気がありますけど、最初からイメージしていたのですか?

最初はそのつもりではなかったんですけど、ギターリフにリバーブをかけたら、だんだんチャイニーズな感じになっていきました。そこから歌詞も含めてチャイニーズな雰囲気に寄っていったんですよ。そして、“ウー! ハー!”というかけ声も入れ始めていました。“アチョー!”って言っているのは自分です(笑)。

(笑)。意外な事実です。

みんなは完成形がどうなるのか知らないので、レコーディングした時に“何をやってるんだこいつは?”という雰囲気になっていましたけど(笑)。クミコさんにやってもらった効果音的な声も、最初は“私に何をやらせるんだ!?”というような雰囲気でしたね(笑)。そう言えば、「エポックパレード」の最後の部分の“イエー!”みたいなガヤは、レコーディングに参加していただいたストリングスやホーンの方々とかエンジニアさんやスタッフさんの声が入っています。

大いに楽しんで作った2曲によるシングルですね。1stシングルというのがびっくりですが(笑)。

意外なことに1stシングルです。今回、シングルデビューすることになりました(笑)。
「エポックパレード」2016年07月06日発売Ki/oon Music
    • 【初回生産限定盤(DVD付)】
    • KSCL-2742~3 1500円
    • 【通常盤】
    • KSCL-2744 1000円
シナリオアート プロフィール

シナリオアート:眩しいメロディーで、絵本のような幻想世界の“物語”を奏でる3ピースバンド 。2012年12月に関西最大級のコンテスト『eo music try 2012』にて前代未聞のグランプリとpocky賞のダブル受賞を果たす。13年4月にタワーレコード限定でシングル「ホワイトレインコートマン」をリリースすると、瞬く間に店頭から姿を消し、オリコンウィークリーインディーチャートで2位を獲得。14年1月にミニアルバム『night walking』でメジャーデビューを果たした。シナリオアート オフィシャルHP
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