【ビッケブランカ】ビッケブランカっ
てどんな奴? 恋ばっかしてる奴です
よ(笑)

ファルセットヴォイスを武器にポップとロックの間を自在に行き来するピアノマン、ビッケブランカがいよいよメジャーデビュー! 挨拶代わりにビッケブランカの本質を封じ込めたというミニアルバム『Slave of Love』をリリースする。
取材:山口智男

前作の『GOOD LUCK』をリリース後、ワンマンツアーを含め、精力的にライヴ活動を続ける中で大きな手応えを感じながらの制作だったのではないでしょうか?

『GOOD LUCK』を作った時もそんな感じはあったんですけど、ライヴでどう聴こえるかという考えがさらに深まりましたね。曲のデモを作っている時もマイクを手に持ってステップしてみて、“あ、ちょっとテンポ遅いかな?”みたいに頭と耳だけではなくて、自分の体と一緒に曲を作るようになりました。そこが一番変わった…“変わった”というか、それが普通になりました。それが基盤にありつつ、どういう表現をしたらより伝わるかとか、気持ちが高揚するかとか考えるようになりましたね。

それがあった上で、今回の作品を作るにあたっては、どんなことを考えたのでしょうか?

メジャーからの1枚目だから、ひとつの方向に振らずにありのまま、エッジーな部分も削ぎ落とさずに、そのまま出そうって。ジャケットを見てもらえれば分かると思うんですけど、“ビッケブランカですけど”みたいな(笑)。“これがビッケブランカです”っていうのがしっかり伝わるものにしようって。それでとりあえず打ち放とうっていうのはテーマとしてありました。だから、“今のシーンはこれだから、それに寄せる”みたいな小賢しいことはひとつもやっていないです。

アルバムに先駆け、配信リリースした2曲目の「Natural Woman」はCMソングとして書き下ろした曲だそうですね。

『en Natural グリーンスムージー』のCMだったんですけど、“曲の印象は強め。テンポは速め。サビで裏声”と言われて、5日で作りました。正直、タイアップだからってすぐにヒットに結び付くわけではないしって思っていたら、想像していた以上の反響があって、めちゃめちゃ嬉しかったです。今、音楽業界の流れでは“タイアップを取ったからって…”というのがあると思うんですけど、要は曲次第だと思うんですよ。だから、“俺の曲だったらみんなは何か思ってくれる!”って俺はずっと言ってたんです(笑)。だけど、そんな時代じゃないからって。でも、CMで「Natural Woman」が流れ始めたらTwitterのフォロワーが急激に増えて…たぶん、その流れで東京のワンマンライヴも速攻でソールドアウトしたと思うんですよ。だから、曲さえ良ければ、そういう良い結果が出せるんだって(笑)。

ロックオペラ調というか、ミュージカル調のアレンジがビッケブランカならではと言えるアルバム表題曲の「Slave of Love」ももちろん聴き応えがあるのですが、ギミックに頼らないシンプルなアレンジで、アーティストとしての成熟を印象付ける「Echo」「Your Days」も聴き逃せませんね。

ほぉ、なるほど。分かっていらっしゃる(笑)。きれいな流れでしょ? 1曲目2曲目3曲目と派手というか、奇抜とまでは言えないまでも、聴く人によっては奇をてらっていると思うかもしれない3曲が続いたあと、ちゃんと2曲、「Echo」「Your Days」というしっかりとミュージシャン然とした曲が並んでいる。やっぱりビッケブランカはそうあるべきだからというか、どこか一部分をデフォルメするのではなく、ビッケブランカの全体像を見せつつ、本質を封じ込めたかったからバラードや弾き語りも入れました。

ところで、前作にはご自身の失恋体験がもとになった「SPEECH」「TARA」という曲がありましたが、今回は?

あるんですよ(笑)。その2曲を作った時は“もう恋なんてしない”と思いながら、さすがのビッケブランカも時間が経てば、喉元を過ぎてまた恋をしてしまった(笑)。その時、「Slave of Love」ができました。恋をすることは、さよならを繰り返すだけ。そんなの辛いだけだからもうしない。“もうしない”と歌いながら、最後の最後にプロットツイスト(どんでん返し)って手法なんですけど。“しちゃったよ。この恋が最後だから”って。その状況を“愛の奴隷”と言っているんです。

その“Slave of Love”をアルバムタイトルに選んだのは、どんな理由からなのですか?

最初は“これがビッケブランカです”ってアルバムだから、“Hello”みたいなのが出てきたんですけど、そういうタイトルを付けることがもはやビッケブランカらしくない感じがしたんです。で、ビッケブランカの歌って基本的に恋愛の歌だから、時たま応援ソングも混ざるけど、そこにも女の人は出てくるし、もう恋、恋、恋、恋だねって。そしたら、たまたま“Slave of Love”ってタイトルの曲があって、まさにそれじゃないかと思ったんです。ビッケブランカってどういう奴?ってなった時、恋ばっかしてる奴ですよって(笑)。そういう流れで、これになりました。それにシンプルだし。

リリース後は、どんな活動をしていこうと考えているのでしょうか?

ツアーをしながら曲も作りつつ、曲も作りながらツアーもしつつ、ツアー以外でもライヴをしながら、存在を知ってもらいつつ…最終的にひとりでも多くの人にライヴに来てもらいたい。ビッケブランカのライヴは楽しいから、みんなに観てもらいたいんですよ。ただ、今はまだ存在を知らないから来られない。みんな損をしている!(笑) そんな状況を変えていきたいです。今回のメジャーデビューも、そんなに特別なことではなくて、知ってもらうためにいろいろなところにライヴしに行って、ライヴに来てもらって、曲を聴いてもらって、楽しいと思ってもらって、みんなの人生に楽しい日が1日増えるという、永遠の繰り返しの1歩目なんです。インディーからの作品を含めるなら3歩目。レーベルのスタッフが“メジャーになると〜”って説明してくれるんですけど、よく分からない(笑)。っていうか、分からなくてもいいのかな(笑)。ただ、何かが変わる大きなきっかけになりそうな予感はあるんです。
『Slave of Love』
    • 『Slave of Love』
    • AVCD-93490
    • 2016.10.26
    • 1944円
ビッケブランカ プロフィール

ビッケブランカ:美麗なファルセットヴォイスと緻密なコーラスワークを独創性に富んだ楽曲に昇華させ、ポップとロックの間を自在に行き来する、新しいタイプのシンガーソングライター。2016年10月にミニアルバム『Slave of Love』でメジャーレーベルに移籍し、19年に発表したシングル「まっしろ」が日本テレビ系ドラマ『獣になれない私たち』の挿入歌に、同年6月に発表した3rdシングル「Ca Va?」がSpotifyのCMソングに抜擢されるなど幅広い世代から注目を集める。ビッケブランカ オフィシャルHP

OKMusic編集部

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