L→R 細川千弘(Dr)、山内彰馬(Vo&Gu)

L→R 細川千弘(Dr)、山内彰馬(Vo&Gu)

【Shout it Out】逆境をプラスに転じ
させたShout it Outの新たな挑戦

メンバー2名が脱退するという逆境を乗り越えて完成させた、テレビアニメ『DAYS』のエンディングテーマ「DAYS」を含むEP『これからと夢』。逆境をプラスに転じさせた挑戦を山内彰馬(Vo&Gu)と細川千弘(Dr)が語る!
取材:山口智男

メンバー脱退後、ふたりになってから初めてのリリースということで、いつも以上に気合が入っていたのでは?

細川
全曲、今出すことに意味のある曲ができたと思います。ふたりが抜けた穴をどう埋めるかを考えながら、僕ら自身も改めて音楽に向き合ったというか、“俺らはこういう考えやから”ってサポートメンバーに説明していく中で、僕らも自分たちの原点を再確認できたし。その上で、今しか書けないという意味で、特に歌詞が意味のあるものになりました。
山内
アレンジも今まではメンバーに委ねていたんですけど、今回は一から“この曲はこういうことを言いたいから、それに相応しいフレーズにしてほしい”という細かいところまで…もちろん歌を軸にはしているんですけど、僕が一曲一曲掘り下げたことで、これまで以上に楽器が歌に寄り添ってきたという印象があります。

1曲目の「DAYS」はサッカー部を題材にしたテレビアニメ『DAYS』のエンディングテーマですが、山内さんと細川さんは運動部の経験はあるのですか?

山内
僕は小学生の時に5年間ぐらいサッカーをやっていました。『DAYS』の主人公はサッカーがめちゃめちゃ下手くそなんです。だから、そこにシンパシーを感じました。実は僕もめっちゃ下手だったんですよ(笑)。だからこそ、今回、「DAYS」という曲が書けたんだと思います。
細川
意外ですよね(笑)。僕は運動部の経験はないです。中学の時に吹奏楽部に入って、そこから音楽を始めたので。
山内
「DAYS」はアニメの原作を読んでから書いたんですけど、そのプリプロからレコーディングまでの間にメンバーが脱退することになってしまったんですよ。つまり、メンバー脱退後一発目のCDになるわけじゃないですか。だから、自分たちの現状を歌ったものにしたいと思って。アニメにシンパシーを感じながら、そこに自分の感情を入れた歌詞になりました。
細川
それもあって、アニメに引っ張られすぎずに、今後、僕らの代表曲になるような曲になったんじゃないかと思います。
山内
いかにもバンドっぽいゴリゴリのギターソロをサポートメンバーに弾いてもらったんです。それは僕らからの挑戦というか、アニメがきっかけで僕らを知った人たちに対して、ちゃんとバンドというものの良さも知ってほしかったからなんです。
細川
だから、ドラムもかなり手数を多くして、普通のドッパンドドパンだけじゃない、テクニックを駆使したものにしました。いつか僕らのバンドスコアが出ることになった時、“Shoutのこの曲、ムズくね!?”ってなるかな(笑)。 

その「DAYS」はShoutの王道ナンバーと言えると思うのですが、2曲目の「これからのこと」はメンバーふたりの内面が感じられるという意味で興味深い曲ですね。

細川
このタイミングで、こういう曲をあえて持ってきました。今まで「DAYS」のようなBPMの速い曲やミディアムテンポの曲はあったと思うんですけど、ここまでバラード調の曲って作ったことがなかったし、最初に歌詞を読んだ時に抜けたメンバーに歌っているってことは分かったし。メンバー脱退って、いいニュースではないじゃないですか。“4人のShoutじゃなきゃShoutじゃない”ってツイートしている人もいる中、あえてそこをえぐらなくてもいいんじゃないかって話にもなったんですけど…。僕らってリアルに感じていることをリアルな歌詞にすることが真骨頂というところもあるんで、今回、入れようってことになりました。ライヴで初披露した時、いつも来てくれているお客さんが泣きながら聴いているのを見て、一緒に乗り越えようとしてくれている人がこれだけいるんだって改めて気付けたから、僕らにとってもファンにとっても大きな意味のある曲になったのかなって。

「これからのこと」ではサポートを入れずに山内さんがギターソロも含め、ギターを全て弾いていますね。

山内
前作に引き続き、プロデュースしていただいたSUPER BEAVERの柳沢亮太さんが“自分で弾いたらいいんじゃない?”って。これまでそんなことは1ミリも考えたことがなかったから、一瞬、“えぇ?”ってなったんですけど、ふたりになったからこそ、そういう考え方もできるんだなって思いました。
細川
辞めていったメンバーに向けた曲だからこそ、“俺らは大丈夫だ”ってことを音で証明するために、実はいつもは彰馬がやっていたコーラスも僕がやっているんですよ。それも含め、今回はいろいろ新しいことにも挑戦している。3曲目の「君はまた夢を見る」もマイナー調という意味では、これまでなかったタイプの曲ですよね。

サポートメンバーの力も借りながら、ふたりで一枚の作品を完成させたことで、これからもやっていけるという確信がよりはっきりしたものになったのではないですか?

山内
いい意味でけじめを付けられた気がするので、次回作に向けても、ライヴに向けても一から新しい気持ちでやっていけると思います。
細川
僕らがふたりになっても活動を続ける決断をして、そこから生み出した曲に励まされたというファンをTwitterで見た時は嬉しかったです。続けてきて良かったと思ったし、今回の作品を完成させたことで、そういう人たちの期待を裏切らないためにもやっていこうという決意がより確かなものになったところはあります。12月26日のリリース記念のワンマンライヴも“これから”ってタイトルでやるので、そこでまたいろいろ証明できたらいいですね。
山内
前回のワンマンは僕らのファンしかいないってところでちょっと甘えていたというか、お客さんもワンマンハイだったというか(笑)。それを軽々と飛び越えるような、ワンマンマジックがなくてもいいライヴになるようにしたいですね。
『これからと夢』2016年12月07日発売PONY CANYON
    • 【通常盤】
    • PCCA-04446 1200円
    • ※ボーナストラック付き
    • 【DAYS盤】
    • PCCA-04447 1200円
    • ※DAYSオリジナル 書き下ろしジャケット
Shout it Out プロフィール

シャウト・イット・アウト:2012年4月、高校の軽音楽部のメンバーで結成。地元である大阪府堺市を拠点に活動中。15年の『未確認フェスティバル2015』では3,254組の中からグランプリを獲得。16年7月にシングル「青春のすべて」でメジャーデビュー。同年9月にメンバーの脱退があり、山内と細川のふたり体制に。18年7月から8月にかけて行なう初のワンマンツアーをもって解散することを発表している。Shout it Out オフィシャルHP

OKMusic編集部

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