L→R 北川悠仁(リーダー)、岩沢厚治(サブリーダー)

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【ゆず】聴いたことのないオールタイ
ムベストができた

20年の軌跡とも言える50曲を収録したオールタイムベスト『ゆずイロハ 1997-2017』。まさに集大成であり、入門編であることはもちろん、スペシャルトラックとしていきものがかり、back number、SEKAI NO OWARIの3組とコラボしていることも特筆すべきところだ。
取材:セーニャ・アンド・カンパニー

デビュー20周年、おめでとうございます。満を持してのオールタイムベストアルバムということで、リリースに至るまでの経緯を教えてください。初めからアニバーサリーにはベスト盤を出すと考えていましたか?

北川
ずっと考えていましたね。自分で言うのも変なんですが、20周年まで辿り着くのって決して生半可なことではないし、しかも一度も活動休止することなく歩き続けてきた20年だった。なので、誕生日には誕生会を、めでたい時にはお祭りをやったりするように、ここまで来れたことをちゃんとかたちにして、ファンのみなさんをはじめ、まだゆずをあまり聴いたことがない人にも届けたいなという思いがあり、今回の『ゆずイロハ』につながりました。
岩沢
20周年ということで、記念となる何かを残したいという気持ちが漠然とあって。その一番分かりやすいものとして、ベスト盤がしっかりはまったという感じですね。

アルバムタイトルはどのように決まりましたか?

北川
実は途中までタイトルは“ゆずの実”にしようと思っていたんです。ただ、昨年末に東京ドームでやった弾き語りライヴ『ゆずのみ』の印象が思いのほか強くて、同じ言葉はもう使えないなと思ったんです。そして、改めて考えていった中で、“イロハ”という言葉がパッと思い付いたんです。もちろんこの作品はゆずの集大成でもあるんだけど、初めての人には自己紹介のような“ゆずのいろは”的アルバムになるんじゃないかと。同時に、CDを何枚組にするかの打ち合わせを繰り返していた最中だったので、“イロハ”なら“イ”“ロ”“ハ”の3枚組に分けられるなと。そのキャッチーさと、作品としての必然性が噛み合って、“ゆずイロハ”になりました。

現在、ゆずの全楽曲は255曲だそうです。この中から50曲に絞り込む作業は大変だったのでは?

北川
“ゆずイロハ”というタイトルが付いて、“イロハと言えば何だろう?”と思った時に、“あ、カルタだ!”と思ったんです。カルタって575の歌の文句があるじゃないですか。各ディスクごとに歌の文句が付くことで、並べた時にそれがそのディスクのテーマになっていくんじゃないかなと。もともと、ただ年代順に曲を並べるのは面白くないと思っていたので、これによってそれぞれカラーが出せるなと思ったんです。最初はオールタイムベストということで、今まで自分たちがその時その時で提示してきたシングル曲を中心にバランスをとりながら並べていきました。その後、周りのスタッフの意見やアイデアも盛り込みながら何回も作り直し、今の内容になりました。
岩沢
20年前の曲から今の曲までを完全網羅したものにしたいなとは思っていました。結果、今までゆずを知らない人にも、ファンの人にもコレクションとして新たに加えていただけるようなものになったんじゃないかなと。3枚組というか、“3公演”ですよね。まるでライヴの曲順を考える時のような選曲の仕方だったし、シングルでない曲もうまく散りばめているので、これは単純に面白い内容だなと。もちろん、何かを削れば何かの角が立つということもあるんですが、そもそもどこを切り取っても悪いようにはならないと思っていたので、全ての人たちの意見というより、あくまで僕たちが考えたオールタイムベストがこれですよ、というイメージですね。

制作の過程で何か再発見はありましたか?

北川
シングル曲でない曲も収録されているんですけど、実はこれはスタッフの提案が大きかったんです。当事者である僕たちが細かな曲を決めるのは結構難しくて。それこそ「スマイル」や「贈る詩」「うまく言えない」だったりがそうですね。ただ、今までアルバムの隅々に至るまで納得するものを作ってこれたので、シングル曲と並べても遜色ない内容だなという発見はありましたね。あと、3枚組に分けた時に、全然知らない曲ばっかじゃん!というディスクが多分ないんです(笑)。20年がむしゃらに曲を作ってきた、これまでの成果を詰め込めたなと思いました。 

そんな中、2002年に発売され当時話題を呼んだ「恋の歌謡日」が、なんとアルバム初収録ですね。

北川
大袈裟だね(笑)。でも、こういう些細なことって嬉しくないですか? こういう機会だからこそできることだなと思います。自薦と他薦、満場一致で「恋の歌謡日」は選ばれました(笑)。
岩沢
これまで頑なに入れてこなかったというのはあると思うんですよ。こだわっちゃいないけど、色が違いすぎて、コンセプトが強かったりするのでアルバムには入りづらい。でも、今回の“ゆずイロハ”というテーマが出てきた時に、ようやく踏み出すことができましたね。
北川
曲順も、この流れだからこそ入れられたなという印象はありますね。

ゆず楽曲はもちろん、本作には各ディスクごとのスペシャルトラックが収録されていて、Disc1にはいきものがかりとの「イロトリドリ」、Disc2にはback numberとの「サヨナラバス」、Disc3にはSEKAI NO OWARIとの「悲しみの傘」と豪華なコラボレーションですね。

北川
ベストアルバムを出そうと思った時から、今まで誰もやったことのないことをやろうと考えていて。トリビュートであり、自分たちも参加していて、なおかつ自分たちのベストアルバムに入っているのは面白いかなと思いました。これまで小田和正さんだったり、ユーミン(松任谷由実)さんだったりとライヴや作品でコラボしたことはあるんですけど、今回は先輩でも同世代でもなく、自分たちの匂いを継承していて、でも独自の活動をしていて、これからのJ-POPを担っていくであろう人たちとやりたいというアイデアが沸いてきたんです。その中で、この3組が自分の中でピンときた。
岩沢
最初のベストアルバム『Home』『Going』を出した時もそうだったんだけど、何かスペシャルを付けたいんですよ。その気持ちは常にあって。もちろん新曲を入れるという選択肢もあったんですけど、今回は新しいかたちのトリビュートというか。そして、一番大きいのが、3組ともゆずを好きでいてくれていること。自分たちのルーツのひとつとしてゆずがいること。それが、単純に人気アーティストに声をかけましたということではないコラボレーションにつながっていると思います。

コラボレーション楽曲の仕上がりはいかがですか?

岩沢
想像を上回るものになったと思います。お互い意見を出し合いながら、イメージを超えていけたし、同じミュージシャンとして切磋琢磨できたんじゃないかな。

それぞれの聴きどころやエピソードを教えてください。

岩沢
「イロトリドリ」は絶対的な(吉岡)聖恵ちゃんの歌声がありながら、今回は水野くんの“5人で楽しく参加しているのが伝わる曲にしたい”というリクエストから、水野くんと山下くんにも声で参加してもらって(笑)。スタジオに集まってみんなでわちゃわちゃやっているような、そんな楽しさが伝わってくる曲になったんじゃないかな。
北川
SEKAI NO OWARIは実際に僕がセカオワハウスに行ってお願いしてきました。実は、最初は「表裏一体」を一緒にやりたいなと思っていたんだけど、みんなゆずに対して特に思い入れが深くて。iPhone片手にセカオワがその場でゆずを語るという事態になり(笑)、結果、シングル曲ではなく、すごく目立つ曲ではないんだけど、「悲しみの傘」をやることになりました。back numberは彼らから漂うAMラジオ臭さが個人的に好きなんだけど(笑)。(清水)依与吏がいろんなところで好きだと言ってくれていた「サヨナラバス」は、依与吏が歌うともうback numberの歌になるというか。あとは、やっぱりバンドっていいなと思いましたね。バンドにはいつまでも憧れがあります。

改めて、どんなベストアルバムになりましたか?

北川
聴いたことのないオールタイムベストができたなと思います。いろんな意見はあると思うけど、ただアニバーサリーだから出したということでなく、作品としていいものができたと思いました。ここまで作品性を大切にCDを出してきたので、今回もベストだからというわけではなく、今まで聴こえてきた曲たちが違う聴こえ方をしてくるような作品になりました。

本作のジャケットアートワークはFCのマスコットキャラクター・ゆず太郎ですが、これまでのゆずのアートワークを手がけてきた村上隆氏、名和晃平氏、東信氏とのコラボレーションゆず太郎も登場していますね。

北川
今回のビジュアルのキーコンセプトを決める時に、ゆず太郎ってアイデアがでたんです。最初はどうかなとも思ったんですが、ゆず太郎ってファンの人はもちろん、スタッフも含め、みんな大好きなんですよ(笑)。今回曲の魅力を伝えるのはもちろんなんだけど、僕たちが持ってるキャタクターも知ってもらって、とにかく20周年を楽しんでもらいたいなという気持ちが出てきて。お三方とのコラボのアイデアもすごくいいなと思ったし。最初にできてきたのが村上さんだったんですが、“もうこれ、ゆず太郎じゃないじゃん!”って(笑)。最高だなと。そのあとに名和さんや東さんなど続々と完成してきて、これは面白いものになるなと思いましたね。
岩沢
FCのキャラクターなので、ファンの方にはお馴染みです。ずっと一緒に歩いてきたキャラキャラなので、ここに登場するのは必然というか、“20”という数字を考えた時に、ゆずマーク以外にそれに付随するキャラの存在は大きいのかなと。みなさんに愛されているゆず太郎…コラボについては大先生にお願いしているという名目なんですけど、僕たちとしては大切な友達に20周年をお祝いしてもらっているような感覚ですね。とても嬉しいです。

ベストアルバムを引っ提げて、自身初の全国ドームツアーも始まります。意気込みを教えてください。

北川
まずは『ゆずイロハ』の曲をどこまでやれるかですね。そして、弾き語りからエンターテインメントからゆず太郎から、自分が表現したいもの、自分が大切にしてきた歌や言葉をしっかりと届けられたらなと思います。初の名古屋と福岡のドーム公演もあるので、ものすごく楽しみです。
岩沢
すごく楽しみなんだけど、本数がそこまで多くないんですよ。始まったら終わっちゃうのかなというのが少し寂しいですけど、会場の大きさにかまけず、しっかりと完全燃焼していけるように頑張りたいですね。
『YUZU 20th Anniversary ALL TIME BEST ALBUM「ゆずイロハ 1997-2017」』
    • 『YUZU 20th Anniversary ALL TIME BEST ALBUM「ゆずイロハ 1997-2017」』
    • SNCC-86931
    • 2017.04.26
    • 3780円
ゆず プロフィール

ゆず:1996年3月に結成。横浜、伊勢佐木町を中心に路上ライヴを行なう中、98年6月にリリースした1stシングル「夏色」で脚光を浴び、その後も「栄光の架橋」「虹」とヒット曲を世に送り出す。等身大の視点から投げ掛けられるリアルな歌詞、センチメンタルで清涼感のあるメロディー、それらを包み込む素朴で温もりを帯びた音色で多くのファンを魅了し続けている。ゆず オフィシャルHP
TOY'S FACTORY
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ゆず オフィシャルTwitter
ゆず オフィシャルYouTube
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