【西野カナ】18歳の感覚を歌詞に書け
へんくなるのが嫌で、今書いとかなっ
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現役女子大生でもあるシンガー西野カナ、シングル「I」でデビューを果たす。ブラックミュージックを愛聴し、アメリカで生活したことのある傍ら、民謡を習った経験も持つ、その独自の感性に要注目!
取材:高橋美穂
まず、「I」のトラックをもらった時、どう思いました?
今まで聴いてきたサウンドとは全然違うねんけど、自分にとって刺激的なものやなって思ったんで、この曲に自分の歌詞を付けようと思いました。
歌詞はどういうイメージで付けていったんですか?
この曲を聴いた時に、深い青…海の底みたいな、そういう色のイメージがあったんで、そっから考えて、自分のネガティヴなところを書いていこうと思ったんです。サビの“I don’t wanna know”っていうのがキーワードだったんですけど、そこから考えていって…彼氏のほんとに思ってることって、知りたいけど怖いから知りたくないみたいなところもあるじゃないですか。だから、知りたくないことをいっぱい書いていったんですね。
なるほど。まず最初に深い青のイメージが浮かんだのはなぜだったんでしょうね。
何か、人間の感覚で、共感覚っていうのがあるらしいんですけど、パッと人や物を見た時に、色が見えるんですって。私もちっちゃい時は見えたんですけど、いつの間にか見えなくなって。そういうのって、例えばこのテーブルは茶色なんやけど、ある意味茶色やないんですよ。あとは人や物だけじゃなく、1月は何色やとかも見えて。それは霊的なものではなくて、科学的に証明されている感覚なんですけど、そういうものかもしれないです。
その感覚が、この曲によって呼び覚まされたと。
あと、この歌詞は恋愛の内容ですけど、その奥には恋愛に留まらない、18歳ならではの人生への葛藤とかも感じられたんですね。
ガールズトークとかしても、恋バナが多いじゃないですか。だから、自分の恋愛観を書いたんですけど…何だろうな、大人っぽい子なら、18歳でも割り切ったりできるかもしれんけど、うちは無理やなって思ったから、18歳の今の感覚で書いて。もしかしたら、20歳になったらこれが変わるかもしれんし。成長せんかもしれんけど(笑)、書けへんくなったら嫌やから、今書いとかなって。
今の自分をすごく大事に思ってるんですね。
18歳って、恋愛的にも人生的にもどこにでも行ける年齢だと思いますけど、だからこそ“これからどうなるんだろう?”って考えたりもします?
あぁ、めっちゃ考えますよ。私、いつも最低ラインを考えてるんです。今の状況で一番最悪なラインを考えとくと、ちょっといいことあったらうれしいじゃないですか。先のことはすごい不安になったりしますよ。でも、楽観主義ではあるんで。
あぁ、そのポジティヴさって、歌い方にも出てる気がします。基本キュートな声なんだけど、部分部分で張ったりしてるじゃないですか。そこに強さを感じたんですよね。
何か、女の子って、めっちゃ弱いねんけど、強かったりもするじゃないですか。そのどっちもほしいから、部分部分で変えてるっていうのはあります。そもそも、自分が可愛い声って言われるのが嫌やって。やっぱり自分が聴いてる音楽からすると、全然違うじゃないですか。だから、女の子の可愛らしさだけじゃなくて、強さも表現したいっていうのも自分の中でありましたね。
なるほど。2曲目の「In Stereo」は全編英詞ですね。
はい。それは『I』の作曲をしてくれたNERVOが作詞作曲をしてくれて。これ、めっちゃ好きな曲で。でも、歌詞はほとんど意味はなくて、“音楽を聴いててすごく気分がいいわぁ”みたいな気持ちを、繰り返し歌ってるだけなんです(笑)。だから、テンションだけの歌ですね。
自分には「I」みたいな自己表現の曲も必要だけど、「In Stereo」のような純粋に歌ってて楽しい曲も必要っていう感じですか?
そして3曲目の「Just a friend」はご自身で作詞されたんですね?
これはいっちゃん最初に書いた詞やから、一枚目のCDに入れたかったんです。高校生の時に書いたんで、“ザ・高校生”な内容なんですけど。
“教室”とか“消しゴム”とか出てきますしね。
はい。共学やったんですけど、隣の席の子が好きやとして、机に鉛筆で書いたら残るやないですか。そんなん見られたらえらいことやから、消しゴムで“I Like You”って書くんですよ (笑)。でもここで公開してるから意味ないんですけどね(苦笑)
え!? もしかして今もやってます?
(笑)。これからはどんな歌を歌っていきたいですか?
ジャンルにはこだわらず、歌詞にも英語と日本語のいい部分を詰めて、自分の持ってるいろんなものをひっくるめて、いい歌を作っていこうと思っています。
ライヴに関してはどうですか?
やっぱり楽しいのが一番なので、パーティーじゃないけど(笑)、そういうイメージでやれればと思ってます!
ニシノカナ:1989年3月18日生まれ、三重県出身。2度の渡米経験を経て洋楽に目覚め、クリスティーナ・アギレラ、ジェニファー・ロペス、シアラなどの女性シンガーをはじめ、ヒップ・ホップ、R&B、レゲエなどさまざまなジャンルの音楽にのめり込んでいく。また、日本文化に根付いたミュージック・カルチャーにも興味を持ち、日本民謡も習い始める。2005年、<Sony Music>主催のオーディションに参加。2006年に<SME Records>よりメジャー・デビューが決定。07年、デビューへの準備を進めると同時に、英文学を学ぶため大学に進学。渡米経験、日本民謡経験の2つの感性を合わせ持つ彼女は、オーストラリア人作家ユニットNERVOとメジャー・デビュー・シングル「 I(アイ)」を制作し、2008年2月に世界初のデビュー・シングル日米先行配信を敢行。本作は、ビルボード・ジャパン・トップ100にて新人アーティストとしては異例の総合チャート10位を獲得。2008年9月には、シンディ・ローパーから指名を受け、12年ぶりとなるジャパン・ツアーのオープニング・アクトを務めた。09年3月には、ラッパー・WISEを迎えた5thシングル「遠くても feat.WISE」をリリース。同年6月、デビューから通算6枚のシングルを含む1stアルバム『LOVE one.』をリリース。天性の歌声でリアルな恋愛を唄い、ケータイ世代と言われる若年層を中心に絶大な人気を集め、2010年6月にリリースした2ndアルバム『to LOVE』は、オリコン、ビルボードの両アルバムチャートで初登場1位、オリコン年間アルバムランキング3位を獲得し、95万枚の大ヒットを記録。2013年9月、デビュー5周年を記念したリリースされた、初のベスト・アルバム『Love Collection ~pink~/~mint~』の2枚は、85万枚を超えるロングセールスを記録。 同年末には『NHK紅白歌合戦』に4年連続の出場を果たし、2014年3月より、西野カナ史上2回目となる全国アリーナ・ツアー『Love Collection Tour ~pink & mint~』を開催した。西野カナ オフィシャルHP(アーティスト)
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