田村直美、走馬燈のように駆け巡った
デビュー30周年ワンマン
シンガーソングライターの田村直美が1月22日に、東京・下北沢GARDENでデビュー30周年を記念したワンマンライブ『田村直美30th Happy Anniversary!! Thanks Friends 〜Santih Santih Santih〜』をおこなった。1987年にロックバンドPEARLのボーカルでデビューし、1994年からソロシンガーとして活動する彼女の30年を走馬燈のように、一気に駆け巡ったライブ。昨年9月にリリースした最新アルバム『Santih Santih Santih』からの楽曲を交えながら、その時期ごとの代表曲を全20曲披露し、30年間変わらないまっすぐでパワフルな歌声を聴かせて、会場のファンを喜ばせた。
この日は、最新アルバム『Santih Santih Santih』の1曲目に収録の「The future stars today」で幕を開けた。グルービーなサウンドに乗せて、ギターをかき鳴らしながら「OKみんな、楽しみにしてくれていた?」と田村は呼びかけた。続けてPEARLの1stアルバム『PEARL FIRST』のラストに収録されている「One Step」を披露。
イントロのドラムとギターが鳴ると、観客がワッと声をあげた。当時と変わらぬ雰囲気で、ギターをかき鳴らしながら歌う田村。<あ〜あ〜♪>と声を伸ばして歌うところでは、観客も一緒になって声をあげて歌った。
間髪入れず、2ndアルバム『PEARL SECOND』のオープニングナンバー「Gold Rush」。アッパーのビートに乗せて、身体を激しく揺らしながら歌う田村。タイトルを叫ぶコーラスでは、客席にマイクを向けて、手を高々と上げながら声をあげた。
田村は「2曲目と3曲目は、このギターで作ったんだよね」と、当時の彼女のトレードマークになっていた、ピンクのペイズリー柄のテレキャスターを肩にかけながら話す。「これ、初めて買ったギターで。20歳か21歳のときだったかな? このギターで、1週間以内で作ったんだよね。実はこのギター、今日のために当時のギターテックが直してくれて、ピカピカにしてもらったんだ」と田村は、笑顔で当時を振り返りながら話した。
“ひとりPERL時代”の曲も披露
この日のライブでは、PEARLの看板を1人で背負って活動した、“ひとりPERL時代”の曲も披露された。「NO ONE SEES NO ONE HEARS NO ONE SPEAKS」では、グルービーなサウンドでしゃべりかけるような歌い方に、観客は合いの手を入れて盛り上がる。ショルダーキーボードを提げてのキーボードソロやバキバキのベースソロも披露され、ファンキーな雰囲気に会場の熱気も高まった。同様にひとりPEARL時代のナンバー「泣きくずれる君を抱きしめて」では、早口でまくしたてるように歌うキャッチーなサビメロが、実に爽快で、観客も一緒に声をあげて歌った。
そして、田村直美のソロとしてミリオンヒットになった代表曲「ゆずれない願い」を届けた。スケールの大きなシンセが鳴り響くと、会場には歓声がわく。力強く壮大なサビは当時と変わらず、観客も手を挙げて一緒にサビを歌い、会場が一体となった。
田村は「今日何をやってほしいか、みんなからたくさんリクエストをもらいました。でも全部に応えるのは難しくて、今日のこのバンドメンバーでやったらかっこいいだろうなと思う曲を選びました。かっこいいよね?」と問いかけ、客席から「かっこいいよ!」との声が返る場面も見られた。
盟友との演奏で蘇る青春
この日のバンドメンバーは、hide with Spread Beaverのメンバーとしての活動も知られるDIE(Key)、リンドバーグのメンバーで、田村とは別バンドを組んで活動する小柳“Cherry”昌法(Dr)、GACKTやVAMPSなどのサポートでも活躍するJu-ken(B)、バンドGaGaalinGやさまざまなサポートでも活躍するMOTO(G)という、ロックシーンの荒波を30年共に歩んできた盟友ばかり。
MCでは、そんな当時を知るメンバーと共に懐かしい話に花が咲く。「あれは何年前だっけ?」「何歳のとき?」と話をしているうちに「あれ? 計算が合わなくなっちゃった。私って何歳なんだ?」と言って、会場に笑いを巻き起こす。さらに「昔は福岡に行くのが怖くて。鋲の付いた革ジャンを着た怖いパンクの人ばっかりのイメージで、トゲトゲの黒い波が押し寄せてくる悪夢ばかり見てた」と、青春時代の苦い思い出も振り返った。
この日のライブを締めくくったのは、1987年にリリースした『PEARL FIRST』の楽曲「Cry My Boy」。田村は「東京に行くと決めた日に作った曲。名古屋で女の子バンドを組んで、結局メンバーふたりだけで行くことになって。80年代のバンドって、いろいろあるんだよ」と当時を振り返った。切ないビートが響くミディアムナンバーで、哀愁あふれるボーカルが、一気に80年代のあの日へと連れて行く。
30年変わらぬロックへの想いを抱き続け、幾度とない挫折と栄光を繰り返してきた田村。この日のステージの高揚感と集まった観客の声援が、彼女の歩んできた30年を輝かしいものへと昇華してくれた。(取材・榑林史章)
■セットリスト
『田村直美30th Happy Anniversary!! Thanks Friends 〜Santih Santih Santih〜』 01The future stars today Encore En.1Hey Kids Move |
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