積み重ねたものを「ぶつけたい」ベイ
ビーレイズJAPAN、再びの野音
今年結成5周年を迎える5人組アイドルユニットのベイビーレイズJAPANが4月9日を皮切りに、野外ワンマンライブ『ベイビーレイズJAPAN 野外ワンマン3連戦』を開催する。その3連戦1本目には、日比谷野外大音楽堂での『日比谷でクレイジーピクニック』が決定した。野音は2014年7月におこなった、『ベイビーレイズ伝説の雷舞!-頑虎一徹-』以来約2年半ぶりのワンマンライブ。昨年はフランス・パリで開催された『Japan Expo』や前代未聞の69時間フェス『EMOTIONAL IDOROCK FES.』、年末には赤坂BLITZでの2Days3公演など精力的に活動してきた。今回はメンバーのうち、大矢梨華子、傳谷英里香、林愛夏、高見奈央に意気込みを聞いた。その内容を前編と後編の2回に分けて紹介する。
前とは別格のエネルギッシュなライブが出来る
――約2年半ぶりに日比谷野音でのライブが決まった心境は?
大矢梨華子 「やったー!」という気持ちでした。野外でライブをするのが凄く大好きなんです。ベイビーレイズJAPAN自体も「野外でのライブが似合うね」と言われていたので、そんな中で今回、決まったことは凄く嬉しくて、その瞬間から「どういうライブにしようかな?」と考えていました。
傳谷英里香 私も純粋に凄く嬉しかったです。ずっと「野音やりたい! 野音やりたい!」と散々言っていたんですよ。「どこでライブをやりたいですか?」と聞かれたら「野音でやりたいです!」と毎回答えていたくらいやりたかった場所なんです。「やっと来た!」という気持ちもありつつ、3年ぶりという事もありますし。今は環境がガラリと変わっているので「今の私達が野音に立ったらどういう風になるんだろう?」というワクワク感もあります。
――日本武道館よりも野音の方が想いは強かった?
傳谷英里香 もちろん、ベイビーレイズJAPANに改名したのも武道館満員だったりとか、紅白だったりとか、そういうのもあるんですけど、やっぱり外って気持ち良くて開放的になるし、私達だけではなくてお客さんも凄く楽しんで下さっている感じがするんです。「野外でのベイビーレイズJAPANは最高だ!」みたいなのがあって、それがイメージ化されたら嬉しいなと思うんです。武道館に行きたいのはもちろんの事なんですけど、それまでのプロセスとして何がやりたい?となったら日比谷野音でのワンマンをあげます。
――確かに曲調もあるのでしょうけど、ベイビーレイズJAPANは野外が似合うというイメージがありますね。
林愛夏 ありがとうございます! 2年半ぶりに野音に立たせてもらうんですけど、その時の記憶が良い思い出ばかりだったから、それをもっと超える様な楽しいライブをお客さんと一緒に作りたいので、今はそんな感じで意気込んでいます。
――野音初ワンマンがもう2年半前になるんですね。当時の心境は?
林愛夏 グループの存続か解散を掛けた武道館でのライブ公演が、出来るか出来ないかの重大な発表が最後にありましたけど、それまでのベイビーレイズJAPANにとっても、野音のステージに立てるということは凄く嬉しい事だったんです。外の会場でたくさんの人に観てもらえるという事も感動でしたし、お客さんも外でベイビーレイズJAPANを観られるという事を楽しみにしていてくれたんです。その2つの楽しみと喜びが重なって倍増した思い出があるんです。ベイビーレイズJAPANに改名してからは、色んな積み重ねがあるなと思ったので、そこを野音でぶつけて、「前回のベイビーレイズJAPANよりも今回の方がいいな」と言ってもらえたらなと思っています。
――野音はキャパという部分では約3000人にもなりますが、やはり歌う時にはお客さんのパワーを感じますか?
高見奈央 野音は客席が段の様になっているので、お客さんからの圧が凄いというイメージがあったんです。だからそれに打ち勝てる様な自信を持とうと思っています。
――ベイビーレイズJAPANに改名してからは1回目という感じですよね? 以前とはかなり気持ち的に違いますか?
傳谷英里香 違いますね。ベイビーレイズの頃は武道館前だったり、どうやって武道館に行けるのかも分からないし、不安なままやっていたんです。何か後半に発表されるものがあると知っていながらも、その内容は知らなかったんです。だからドキドキしながらやっていました。武道館までの期間も迫っていて焦りもありました。発表された時は、1万人の署名を集めれば武道館に行けると分かったんです。それで「やっと道が開けた」という開放感がありました。嬉しさや開放感を楽しみつつも、不安やモヤッとした気持ちがあったりしていながら立っていたんです。だから今回ベイビーレイズJAPANになってからは、ライブ面の演出やセットリスト、デザインなど少しづつ自分たちの意見をまとめてスタッフさんに提案して何度も話し合って、作り上げられるように成長しました。
――それからはご自分達で?
傳谷英里香 前回野音に立ったときは、何も出来る事がなかったんです。頂いたものをしっかりそれ以上にして返そうという気持ちでやっていたんですけど、ベイビーレイズJAPANになってからは「自分たちの意見もどんどん提案していこう!」となったんです。メンバーやスタッフと話し合う時間も増えました。だから前とは別格のエネルギッシュなライブが出来るのかなと思います。
――そういった流れだと今回の野音では全然違うものになりそうですね。
傳谷英里香 そうですね。自分達で作る事によって説得力が生まれると言うか。楽しんでもらえなかったらどうしようという不安もあるんですけど、だからこそ楽しさが増えたなと思います。
スモーク慣れしてました!
――2014年7月におこなった『ベイビーレイズ伝説の雷舞!-頑虎一徹-』で印象に残っている事は?
大矢梨華子 これはずっと引きずっている失敗なんですけど、前回はお客さんとの間に花道を作ったんです。そこに向かったら、音が遅れて聴こえてきたんです。もちろんその時はイヤモニ(編注=演奏や歌をステージ上でモニタリングする為に耳に装着する装置)をしていたんですけど、全然聴こえてこなくて私のソロの所が全部ズコッとずれたんです。
後でメンバー皆が立て直してくれたんですけど、イヤモニがずれたのか、私のリズム感が無かったからずれたのか分からなかったんです。ずれた時に目の前でスタッフさんとかがズコッてコケていて(笑)。
林愛夏 「大矢ぁ!」って言ってね(笑)
大矢梨華子 目の前で大笑いされたんです。上手い具合にワンテンポずつずれて(笑)。もし野音でその時の曲をやるのなら是非リベンジしたいなと。
――何の曲だったのでしょう?
大矢梨華子 「夏色パーティー」です。<夏だ、夏だ、秋だ、秋だ♪>という輪唱みたいにずれて(笑)。ヘコみましたね…。「何でだろう?」と思いながら。
――機材のせいにするしかないですね(笑)。ハプニングはまだあったりしますか?
傳谷英里香 最初の「キメて登場!」という所で、スモークが出過ぎちゃって前が見えなかったんです。その時は「恋はパニック」という曲からだったので、一列になって歩くんですけど、前の人を頼りに進むしかなかったんです。先頭が愛夏ちゃんで、お客さんも何も見えないんです。ただ真っ白の中を突き進んで行って。でも、愛夏ちゃんが見事に真っすぐ歩いてくれたので成功したんですけど、一瞬パニックになりましたね。
高見奈央 周りが銀世界だったよね(笑)。
――そんな中、愛夏さんはどうして真っすぐ歩けたのでしょうか?
林愛夏 私も最初は焦ったんですけど、足下の方を蹴るとスモークが吹き飛ばされてなくなるんです。
傳谷英里香 スモーク蹴ってたんだ(笑)。
林愛夏 そうやって歩いて行ったら前にバミり(編注=立ち位置などを指定する為、地面に貼られるテープ状の目印)が見えてきてちゃんと着けたんです。
――本番でその対応力は凄いですよね?
林愛夏 スモーク慣れはしてました!
高見奈央 おかしいよ、それ(笑)
林愛夏 昔に立っていた舞台はけっこうスモークを使っていたりしてたんです。そこで表現する機会が多かったせいですかね。
――スモーク慣れしているメンバーが先頭で良かったですよね。
傳谷英里香 リコピン(大矢梨華子)とかが先頭だったらもう(笑)。
アドレナリンが出ていて記憶に無かった
――愛夏さんは何か印象に残った事は?
林愛夏 私は露出の多い服を着ないタイプなんですけど、前回は夏の野音だったので衣装の露出が激しかったんです! 下に着ている水着も見えていたり、私はそれだけでドキドキしていたんです。でもアンコールでは「やっと上にTシャツが着られるな」と思っていたら、そのTシャツすら切り刻まれた感じだったんです(笑)。ヒヤヒヤしていましたね…。
――露出の多さが気になって?
林愛夏 そうです。ジャンプをしたらズボンからおヘソが出そうで嫌だなって(笑)。
――かなり気にされていたんですね。他の皆さんは露出はそこまででもない?
大矢梨華子 私は肌の露出は全く無いので。その時の衣装が唯一なくらいですね。
――基本的にベイビーレイズJAPANは肌の露出はあまりない?
傳谷英里香 私はベイビーレイズの頃はけっこうあったので、ちょっと慣れてしまったと言うか…。基本的にお腹は出ているし、肩も出ているしという感じで。
――人によってなんですね。
傳谷英里香 そうだ! 愛夏ちゃんの失敗談ありました。「ベイビーレボリューション」という曲で、後半戦でテンションが高まっていて皆めっちゃ熱くなってるんですよ。「グッとくるポイントを作ろう」という事で、四方八方を向いて想いを込めて皆が歌って、最後のキメで皆が集まってから外側を向くシーンがあったんです。でもその時に愛夏ちゃんが来てくれなくて! ずっと前向いているんですよ。「あんなに練習したのに!」って(笑)。
――歌の世界に入り込んでしまったのですね。
高見奈央 完全に入ってましたね。
林愛夏 バッチリ映像にも収められていて、それを後からYou Tubeで観て初めて知りましたね…。アドレナリンが出ていて記憶に無かったんです。
――奈央さんの思い出の失敗談は?
高見奈央 「チャリンコアイドル」という曲で自転車を走らせたんですけど、それが漕ぎにくいものだったんです。途中で一瞬、客席の方に踏み外しそうになってヒヤッとしました! 落ちたらどうなってたのだろうと。
2曲しか歌ってないのにゼエゼエしちゃって(笑)
――ステージも高いから怖いですよね。ちなみに皆さんが初めて野音で見たアーティストさんは誰でしょうか?
一同 事務所の先輩の9nine(ナイン)さんです。
――皆さん一緒に観に行かれたのですか?
大矢梨華子 私たちのデビュー前、2008年8月に9nineさんの野音のステージに出演させてもらって、自分たちの出番が終わってから観に行ったのが最初です。
――ということは観るよりも出演した方が先だったんですね。
傳谷英里香 そうですね!
――観覧より先に出演というシチュエーションはあまりないですよね。ちなみに初めて野音に立たれた時はいかがでした?
大矢梨華子 めっちゃ広かったです! 広いので運動会みたいなテンションでした。2曲しか歌ってないのにゼエゼエしちゃって(笑)。
高見奈央 私はその後2014年に東京女子流さんのステージを見ました。自分たちの野音も決定していた時だったので、ステージの使い方など勉強になりましたね。
後編へ続く(5日掲載予定)
(取材・村上順一)
ライブ情報
ベイビーレイズJAPAN 野外ワンマン3連戦
"晴れも!雨も!大好き!!" 1戦目 日比谷でクレイジーピクニック 特設サイトで1stアルバム「自虎紹介」の60分メガ・ミックスを無料限定公開中 http://www.lespros.co.jp/special/babyraids/yaon/2017/ ▽日時 ▽場所 ▽チケット ▽その他 ▽券売スケジュール |
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