映像・声優・ミュージシャン
がLIVEで紡ぎだす芳醇な時間 横嶋俊
久、高田憂希、阿部隆大が語る「COC
OLORS」の魅力

 効果音のみを付けた映像を流しながら、壇上で声優がキャラクターの声をあて、ミュージシャンが生演奏でBGMをつけていく。すべてがリアルタイムで進行する一発勝負。映像作品でありながらも唯一無二の体験をすることができる、非常にユニークな試みだ。

 舞台に立ち、主役のアキを演じた高田憂希と音楽監修およびギターを担当した阿部隆大、彼らの熱演を見守った横嶋俊久監督の3人に、会場でおきた声・音・映像の化学反応を振り返ってもらった。

――マチ★アソビで行われたスペシャルコラボLIVEは感動的なものでした。当日は、どんなお気持ちでしたか?

横嶋:僕にとっては監督作品の初のお披露目ですから、そういう意味での緊張感はありましたが、僕は演者ではありませんからね。皆さん、本当にプロフェッショナルな方なので、映像以外の部分に関しては信頼しきって、ただ見守るだけでした。

――阿部さんは、ご自身のバンド(ACRYLICSTAB)の時と比べていかがでしたか?

阿部:自分のライブとはまったく違いますね。やっぱり物凄い綱渡りをしていますので……。これは事前にみんなにも言っていましたが、基本的に僕は上手くいかないと最初から思っていたんですよ。そもそもこのステージは失敗する前提ぐらいのものなんです(笑)。

一同:(笑)。

阿部:実際に裏でどんなことが行われているのかを知っているのは、主に僕と音響チームですが、「どう考えても、これは途中で止まるよね」というぐらいのものが後ろで動いているんです。なので、舞台の上では「上手くいったな」なんて思っていましたが、徐々にそういうことは気にならなくなって、どんどん作品に入っていくことができました。

高田:間近から生の音が入ってきて、私も作品の中に入ってしまっているような感覚でした。

――横嶋監督の感想はいかがでしたか?

横嶋:「COCOLORS」のキャラクターは、みんなマスクを被っていて表情がみえず、感情がどこにあるのか分からないという設定なんですが、この形式でやることで彼らの内面みたいな部分が立ち現れてくるのが凄く面白かったですね。映像では彼らの中身はみえないのに、その場で演技をしている生身の人間がいることでそこに彼らがちゃんと存在すると思えてしまう。また、阿部さん率いる音楽チームの演奏が、役者さんの演技と見事に響きあっていくんですよね。お互いを引っ張りあげていきながら、芳醇な時間を紡ぎだしてくれるというか。

――観客の多くが、同じように感じていたと思います。

横嶋:制作の過程で何百回も観ているので、僕が映像を観て感動することはまずないのですが、このLIVEにかぎっては、自分の作品ながらグッときてしまいました。

――高田さんは、実際に演じられてどんな感想をもちましたか?

高田:最初に「COCOLORS」の台本を読んだとき、正直に言うと、この台本が何を伝えたいのかよく分からなかったんです。どういうことを目標に(演技プランを)立てていけばいいんだろうと凄く悩んで……。その後、アキとして台本を読み込んでいくなかでも迷ってしまい、リハーサルで監督に会ったときに色々と伺いました。

横嶋:そうでしたね。言葉足らずな部分があったと思いますが、僕なりに一生懸命に語りました。

高田:アキの気持ちや読みきれなかった部分をとにかく聞いて、役作りをして。今振り返ると、けっこう不安の大きい作品でした(笑)。

横嶋:そういう話もぜひお願いします(笑)。どうしてアキがここで……みたいなことを思われたはずですので。

高田:そうなんですよね(笑)。他の役者さんに「私はこう思うのだけれど」と聞いたりもしましたが、同じ台本を読んでいるのに思ってもみないような回答が返ってきて、驚くこともありました。本当に想像力をかきたてられる台本で、凄く不思議な感覚でした。

横嶋:高田さんが話された、解釈をひとつに捉えきれない揺らぎのような部分は、ライブでも非常に効果的に働いたのではないかと思います。

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