空海、ヒトラー、南方熊楠、ジャンヌ
・ダルク、毛沢東、ガンジーらが世界
を論じ合う! 小池博史ブリッジプロ
ジェクト新作『世界会議』



小池博史は、1982年から「パパ・タラフマラ」を主宰、ほぼ全ての作品の作・演出をおこなってきた。演劇・ダンス・美術・音楽などを舞台芸術の諸要素を融合させたジャンル横断的・越境的なスタイルを特長とし、これらを以て初期においては「パフォーマンス」ムーヴメントの旗手と称され、また中期以降は「タンツテアター(ダンスシアター)」「トータルシアター」の担い手として日本国内はもとより海外でも高い評価を得て来た。2012年「パパ・タラフマラ」を解散、その後は個人プロジェクト「小池博史ブリッジプロジェクト」へと活動拠点を移行させた。

「小池博史ブリッジプロジェクト」では2012年以降、小池博史×宮沢賢治のシリーズや、小池博史×マハーバーラタのシリーズを次々と創作し、国内外で上演してきたが、このほど新たに“世界シリーズ”と銘打ち、初めて他の原作によらない、オリジナルの作品シリーズを手掛けることとなった。

「今の状況を見ると、下手をしたら世界全体がもはや50年ももたないのではないか?という時代になってきた。そこで世界を俯瞰してみていく作品の創作を4回に分けてやってみたいと思った」と小池は語る。それが“世界シリーズ”であり、その第一弾の公演が『世界会議』である。

『世界会議』について「世界を論じる会議を開く。が、これは亡霊による言葉の少ない会議」と小池は述べる。空海、ヒトラー、南方熊楠、ジャンヌ・ダルク、マザーテレサ、ガンジー、毛沢東といった強烈な歴史的人物の亡霊たちが、世界の現在を論じ合うという。

今回とくに注目すべきは、舞台美術を、シンガポール・アート・ミュージアム(SAM) や青山スパイラルガーデン等、国内外の展覧会で壮大なインスタレーション発表し、日本の現代美術を代表するアーティストとして活躍している栗林隆が手がけること。そこに、能楽師、ダンサー、俳優、サーカスパフォーマーといった男女7名のパフォーマーと、3名の音楽家による生演奏が混沌として絡み合い、『世界の行く末』を照らし出す。

“世界シリーズ”の名に恥じぬ、相当にスケールの大きな劇世界が展開することだろう。

演出家 小池博史 ディレクターノート

世界を論じる会議を開く。が、これは亡霊による言葉の少ない会議。

ディエゴ・リベラというメキシコの壁画家を知っているだろうか? リベラはフリーダ・カーロの夫で、彼女を苦しめた放蕩男としても知られる。ぼくはそんな男の画が大好きだ。彼の画は聖俗、生死が一体化しながら、ニタリと笑える高みに達している。この作品はリベラへのオマージュではまったくないけれど、あの、歴史的断層のない(と感じられる)国の感覚はきわめて大切だと思っている。生きた者も死んだ者も一緒くたにして、時間と空間を見通す感覚が彼(か)の国にはある。滑稽だ。笑っちゃえるし、グロテスクで情けない。

ぼくは亡霊を通して現在を見たいと思った。いかにおかしく、いかに悲しく、ネジがひん曲がって言葉が軽くなってしまっているか。
悲しくも情けなくも楽しくも、そうでありながら格好よくもある「世界会議」。
ピーヒョロロ。



演出家 小池博史

公演情報小池博史ブリッジプロジェクト『世界会議』
■会場:吉祥寺シアター
■日程:2017年1月28日(土)~2月5日(日)
■出演:清水寛二(能楽師・銕仙会)、松島誠、白井さち子、荒木亜矢子、谷口界、立本夏山、吉澤慎吾
■演奏:太田豊(横笛・サックス)、下町兄弟(ジャンベ・パーカッション)、徳久ウィリアム(ボイス・口琴)
■作・演出・振付 :小池博史
■美術:栗林隆
■衣装:浜井弘治
■映像:飯名尚人
■小道具:森聖一郎
■照明:上川真由美
■音響:印南昭太朗
■舞台監督:中原和樹
■宣伝美術:阿部海太、阿部航太
■演出助手:松縄春香
■提携:公益財団法人武蔵野文化事業団
■助成:文化庁文化芸術振興費補助金、企業メセナ協議会
■協力:アワガミファクトリー、流山市生涯学習センター(流山エルズ)指定管理者アクティオ株式会社、株式会社うるとらはまいデザイン事務所、SHIBAURA RECORDS、(公財)セゾン文化財団、Office KOIKE
■主宰:株式会社サイ■公式サイト:http://kikh.com/sekai/■アフタートーク
1月30日(月)19:30の回 トークゲスト:ロバート・ハリス
1月31日(火)19:30の回 トークゲスト:栗林隆

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