大原櫻子 CONCERT TOUR 2016〜CARVI
VAL〜、心を揺さぶられる感動のフィ
ナーレの全てをレポート!

大原にとって通算3回目となる今回の全国ツアー。2ヶ月前の8月5日よりスタートした全18本に及ぶ全国ツアー「大原櫻子 CONCERT TOUR 2016〜CARVIVAL〜」も、ちょうど2ヶ月後の10月5日の日本武道館公演で幕を閉じた。

大原は今回、初の日本武道館公演を2日連続で実施。しかも、両日ともソールドアウトを記録。本人は「まだ活動を始めて3年の私が、歴史ある日本武道館のステージに立てるなんて」と何度も口にしていたように、日本武道館という場所に強い敬意を払っていた。でも同時に、会場が持つ歴史の重みの中へみずからの存在もしっかり刻み込もうとしていた。

会場中を埋めつくしたピンクのサイリウムが大きく揺れる中、舞台2階奥にそびえ立った巨大なVのモニュメントが半回転。大きなVサインを掲げ、大原櫻子が姿を現した。軽快に弾む『ステップ』に飛び乗り、大原は2階舞台上を左右に駆けながら軽やかに歌い始めた。スキップする演奏とシンクロするように揺れるピンクのサイリウムの輝きが、とても華やかで眩しいじゃない。

熱を帯び始めた場内を常夏へ巻き戻すように、大原は『真夏の太陽』を歌いだした。会場中の人達が大原と一緒にピンクのタオルを振りまわし、日本武道館の中を夏色に染めてゆく。彼女は歌いかけてきた、「僕らの恋は始まったばかり」と。その歌は、「僕らの熱狂は始まったばかり」という想いとして胸に飛び込んできた。そう、まだまだ今宵の熱狂は始まったばかりだ!!



「 “CARVIVAL”へようこそ!!一緒に歌って躍って、楽しいライブにしていきましょう!!」



一転、大原はミディアム&メロウな『勇気と微笑み』を、優しくも力強さも秘めた歌声に乗せ届けてきた。歌が進むにつれ躍動してゆく様が、楽曲が放つ前向きな想いとシンクロしてゆく。彼女の歌に触れていると、明日の自分にSay Hello!!と言いたくなる。何時しか場内には、「Hello!!」と叫ぶ声も生まれていた。

哀切なピアノの旋律と想いを重ねるように、大原がアコギの音色を奏でだした。ゆったりとしたストローク音だ。でも、彼女の歌声には沸き上がる力を覚えていた。一緒にこの空間に居られることの喜びを分かち合うよう、バラードの『瞳』が胸に響いてきた。「そんな君と一緒に生きること僕は誇りに思うよ」。彼女と一緒に過ごしているこの時間は、まさにその言葉通りの想いだった。

傘を刺しながら、ダンサーたちと一緒にミュージカルの舞台を描くように歌った『トレモロレイン』。雨模様にも関わらず、なんて心がスキップしていく歌なんだ。その場で心が浮足立ち、ついステップを踏んでいたのも、全部この素敵な歌のせい。
優しく背中を押してゆくように、弾む歌と演奏が気持ちをウキウキときめかせた『メロディー』。そして舞台は、大原櫻子の新しい挑戦のブロックへと熱を持って想いを繋げていった。

セクシーに…いや、艶めいた仕種のもと、大原は妖しくファンたちにせまりだした。「Are You Ready??」の言葉を合図に『DANCE!CARNIVAL』が鳴り響くと同時に、会場は一気に巨大なCLUBに変貌。目の前に広がったのは華やかなダンスパーティの会場だった。その熱狂へさらに熱い風を注ぐように、大原櫻子は『Dear My Dream』を歌いながら場内に一体化したムードを描き出していた。彼女のライブステージに、あんなにもきらびやかなダンス空間が生まれるとは…。ダンサーたちと一体化し躍る大原櫻子の姿がとても新鮮であり、何よりも眩しかった。



熱狂から、一変。「あなた」への想いを優しく語りかけるように、大原櫻子はピアノの弾き語りで『こころ(apf ver.)』を奏でだした。なんて暖かい想いなんだろう、その歌声と演奏は、確かな温もりを持っていた。



ステージ中を埋めつくした満天の星明りの中、大原櫻子は心の内側に秘めた想いを告白するようにアコギを弾きながら『君になりたい』を歌いかけてきた。とても、スケールにあふれた歌だ。その想いは、触れた人たちの心さえも優しく包み込んでいた。

情感をたっぷりに、想いをしっかりと詰め込みながら、大原櫻子はバラードの『サイン』を歌いだした。アンダーな曲調とは裏腹に、彼女の歌声は本当に力強かった。大切な人との想いを交わしあうように胸に染み渡る歌が、何度心を熱くさせたことか…。
哀愁漂う空間へさらに情念を重ねるように、歌謡ムードを携えた『September』が憂いを加えてゆく。そして…。

ここからは、ラストへ向かって盛り上がってこそ。『READY GO!』を合図に攻撃的な演奏が飛び出した。攻めに徹したストレートな楽曲に触発され、会場中の人達が一気に感情をヒートアップ。場内中から飛び交った「Ready Go!」の掛け声。「Knock Knock I Knock on Bracnd-New World oh oh」と一緒に歌ってゆくときの一体感を持った感情のなんと熱かったことか。



疾走する演奏へ飛び乗るように、大勢の人達がタオルをふりまわし、大原が招き入れたロックパーティの中、満面の笑顔を浮かべながら無邪気にはしゃいでいた。楽しい感情がどんどん加速してゆく。その感覚が最高に刺激的だ!!
「日本武道館、燃えてますかー!!」。大原の声に導かれ、『踊ろう』が飛び出した。「踊ろうよ 朝まで 明日のことなんてわすれちゃってさ」と煽る彼女の歌声に触発され、誰もが無邪気に、軽やかにスキップしながら大きく手を振っては、Happyなうねりの中へ楽しく溺れていた。ヤバい、感情が楽しくて破裂しそうだ!!

「壁にぶつかったり、道に迷ったとき、この歌が次へ進む一歩になれたらと思います」。大原は最後にそう語り、『Scope』を歌いだした。光を背に受け、彼女はひと言ひと言しっかりと言葉を噛みしめながら、凛々しく力強く歌いかけてきた。その歌声は、触れた人達の心にエールを贈るようにも響いていた。



アンコールは、メンバー達やダンサーらへおにぎりの被せものを身につけさせ、時には「おにぎりポーズ」も加える形で、爽やかに微笑ましく『のり巻きおにぎり』を歌いながらスタート。とっても緩いムードだ。大原自身が、メンバーらのコミカルな動きについ視線を奪われ、可笑しくて歌えなくなりそうな場面も生まれていたくらいだった。

続く『大好き』では、会場中の人達が大原に向かって「大好き!!」と歌っていた。ともに心の本音を素直に曝け出し、大きな声で歌い叫べるのが、何よりもHappyなこと!!互いに「出会えてよかった」と思えるって、その気持ちを素直に分かち合えるのって最高に幸せなことじゃない??

ここで、大原が映画「カノジョは嘘を愛しすぎてる」の劇中歌として歌った『ちっぽけな愛のうた』を、この日のみのサプライズとして熱唱。ファンたちも生で聴けることを待ち望んでいた楽曲だったように、誰もが大原の歌声にしっかり心を寄り添わせていた。何より、力強く熱唱してゆく彼女の姿や存在感がどれほど凛々しかったことか。

最後に届けたのが、大原櫻子を語るうえで欠かせない『明日も』。何時もはアカペラソロで歌うところを、この日は最初から満員の観客たちと一緒に歌いだす形でスタート。「Tomorrow never knows ずっとずっと」と歌う大合唱がいかに感動的だったことか。サビで起きた合唱も含め、誰もが彼女と一緒に『明日も』を歌いながら、心でしっかり抱き合っていた。



その様に、何度心をグッと揺さぶられたことか。むしろ、この瞬間を味わいたくて、大勢の人達がここに集っている。そんな、心から笑顔になれた最高の風景が目の前には広がっていた。



この日の模様は、12月21日に映像作品として発売になる。この日を体験出来なかった方は、ぜひ映像を通して今宵の熱狂を感じていただけたらと思う。まずは、予約しなきゃね!!

Text:長澤智典
Photo by 川嶋謙吾(田中聖太郎写真事務所)

【セットリスト】
大原櫻子 CONCERT TOUR 2016~CARVIVAL~ at 日本武道館

SE!CARVIVAL
M1.ステップ
M2.真夏の太陽
M3.勇気と微笑み
M4.瞳
M5.トレモロレイン
M6.メロディー
M7.DANCE!CARVIVAL
M8.Dear My Dream
M9.INST!CARVIVAL
M10.こころ(apf ver.)
M11.君になりたい
M12.サイン
M13.September
M14.READY GO!
M15.My Way
M16.踊ろう
M17.Scope

<ENCORE>
EC1.のり巻きおにぎり
EC2.大好き
EC3.ちっぽけな愛のうた
EC4.明日も

アーティスト

UtaTen

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