ワンマン50回達成のGOOD ON THE REE
L 初めてのシングル盤に挑む理由【イ
ンタビュー】

GOOD ON THE REELについて>


■最初に、GOOD ON THE REELの結成までの経緯について教えて下さい。

千野:ギターの2人が友達同士のノリみたいなもので「バンドやってみない?」っていうことになったんですよ、僕も二人とは仲が良かたのでその話を聞いた時に、俺に歌わせてって形で(バンドに)入りました。あとは単純に「あいつ上手いらしいよ」とかっていうとこから集めて行って5人になりました。


■千野さん自身が音楽に触れ始めた時期やきっかけについて教えて下さい。

千野:なんとなく将来の夢というか、音楽をやって生きて行くんだろうなっていう想いが物心付いた時からありました。
小学校の頃は父親のギターを触っていて、最初はギタリストになりたいって思っていましたね。それで中学校に入って、先輩のバンドに誘ってもらってそこでギターを弾いたのがバンドの始まりでした。


■憧れてきたアーティストさんですとか、今の作詞作曲のルーツになっているようなバンドとかってありますか?

千野:作詞に関しては、音楽がルーツというより、本だったり、大好きな谷川俊太郎さんの詩だったりします。なので表現の仕方は歌詞としてというより、詩として書く方が好きなんですよね。
メロディーに関しては、ずっと聴いてきた音楽は特にないのでルーツと言われるとちょっとわかんないですね。洋楽邦楽問わず、インストも含めていろんな音楽を聴きます。


■バンドの音楽の方向性みたいなのは?

千野:それぞれみんなの好きな音楽がバラバラだったので、音楽の方向性とかコンセプトは特になかったです。このバンドでずっとやっていくぞ!って組んだわけでもなく、音楽を楽しもうっていうコンセプトで組んでいたので。


■メジャーデビューを果たしてから、作詞や作曲に変化ってありましたか?

千野:変わってはいないかもしれないですね。
ただ、やっていく中でGOOD ON THE REELっていう自分の中の枠みたいなものはできちゃっていて、自分らはここまで出来ないって規制しちゃう部分はあります。


■例えばそれはどんなこと?

千野:言葉の表現を、「ここまで過激にストレートに言ったら俺らじゃないな」とか、自分で作ってきたはずなんですけど自然と枠ができているんですよね。


■では逆に、どの曲にも共通して意識していることは?

千野:独りよがりになりすぎないということですかね。聴いてくれる人がいて音楽って成立するから、そこは意識しています。
「この表現わかるかな?」ってメンバーに聞いたりもします。


<1stシングル『雨天決行』について>


■今までシングルをリリースしてこなかったのには何か理由があるんですか?

千野:制作の意図みたいな理由はないですね。
ミニアルバムだったりフルアルバムの方が、曲がいっぱい入っているから聴き応えがあるじゃないですか。シングルだと、「次アルバムに入るしいっか」って思われがちなので。


■今回は50回目のワンマンを迎えられるということで、その記念のシングルなんですよね。

千野:そうですね、こういうタイミングで出したいなって。


■50回目のワンマンを迎えるにあたって、今感じているとこがあれば聞かせてください。

千野:もっと日にちが迫ってきて、ライブで何話そうかなって考え始めたり、あとは本番になれば色々想うことはあると思うんですけど、今の時点では“50回記念”って言われても、ずっと駆け抜けてきた感じがあるのでその中の一歩なのかなっていう感じですね。
普段のワンマンの感覚と今は変わらないです。


■『雨天決行』とカップリングの『夏の大三角』は記念シングルとして出すことを意識して作られたんですか?

千野:そうですね。50回目の記念とか、初のシングルだとか、僕らが結成して10年が経ったっていう記念的な意味が大きいので、前向きな曲にしたかったんです。
今までの曲も、暗い曲であっても支えになったり、小さな力になるように意識して歌詞を書くことが多かったんですけど、今回はよりポジティブでストレートに記念碑として表したかったので軽快な感じになりました。


■どちらも少年時代の思い出を歌っているような印象だったんですけど、先ほど伺ったこの曲を作る際に意識したことと少年時代はどのようにリンクしたんですか?

千野:前回のアルバム『ペトリが呼んでる』の中の『ペトリコール』っていう曲で幼い頃の自分との対比を書いたんですけど、そういう書き方を覚えたっていうのもありますし、今回のメッセージは、今の僕からとしてだと書けないような歌詞なんですよね。なので子供の頃の自分だったり親友だったり、幼いヒーローを登場させてその子が言っているような感覚でストレートな応援歌を書いてみました。


■自分からのメッセージとしてだと言えないというのも、先ほど話していた“枠”があるから?

千野:多分これは性格的なものなんですよね。あんまり言えない…かな。
でも幼い頃の無敵な自分ならストレートに言えるんじゃないかっていう感じで自分を置き換えて書きました。


■この曲は作詞が千野さんで、作曲はギターの伊丸岡さんということですけど、どのように曲作りは進められたんですか?

千野:これは伊丸岡が先にデモを持ってきて、メロディーに対して歌詞をはめていった感じです。


■曲の方向性みたいなものは最初に話あったりされたんですか?

千野:とりあえずいっぱい曲を作った中で、候補としてこの曲もあったんですけど、夏っぽい感じもあるし、ドラムのリズムも明るくていいんじゃないかってことでこれでいこうってなって、結果的に今のようになったので最初から方向性は決めていなかったです。


■制作過程で特にメロディーやサウンド面でこだわったところは?

千野:最後まで迷ったところはかなりありますね。
特にサビの譜割は、言葉を入れたことによって詰まっているように聴こえるのですごい悩みました。録ってる最中も違う歌いかたに変えたりして。
あとは、Aメロも歌詞に合わせてメロディーを変えるために相談をしていったり、この曲は珍しくそういうのが多かったです。


■ドラムやベースはどのくらいの状態でメンバーに投げるんですか?

千野:ドラムは完全に指定ですね。ベースは結構アバウトに「ここは動いて」くらいで、気になったところだけ言う感じです。
ギターは、土台をほぼ決めちゃって、色々試していくような感じですね。


■この曲は前奏がなくいきなり歌から入りますよね、これは何を

千野:僕らの曲ってサビ始まりってなくて。なのでちょっとチャレンジしてみた部分はありますね。もともと伊丸岡が作ってきた時からサビ始まりだったのもあるんですけど。
結果的に歌詞を書いてみた時に、始まりのサビの部分が小さな冒険家の登場シーンになったのですごくよかったなって思います。


■歌詞は実体験に基づいているもの?

千野:そうですね、実体験ももちろんありますし、友達のことだったり、想像ももちろんあります。


■レコーディングはいかがでしたか?

千野:『雨天決行』は本当に歌うの大変なんですよ。すごい疲れるし、レコーディングでもめちゃくちゃ汗かきました。これをライブでパフォーマンスしながらやるって結構大変だなっていうことを考えました(笑)。


<『夏の大三角』について>


■この曲に込めた想いを教えてください。

千野:この曲は七夕の曲なんですけど、小さい頃と違って今って願い事を聞かれたらすごい悩むじゃないですか。小さいころの直感的に願い事って雑念がなくてすごく綺麗だなと思って。そういう懐かしさと力強さと透明感を書き出しました。
今そのころの願い事がどうなっていようと、今笑っていたらいいなっていうそういう歌詞ですね。
この歌詞からは汲みにくいと思うんですけど、織姫と彦星が1年に1度会える日に願い事をするっておかしいなって思ったことがあったので、この日くらい織姫と彦星を祝福して笑ってみんなで楽しく過ごそうよっていう想いが歌詞の最後の願い事に込められています。


■七夕の歌にしようっていう想いは初めからあったんですか?

千野:そうですね。夏の曲があまりないので夏のイベントの曲を書いてみようってことで七夕をチョイスしたら、奇跡的にリリースの次の日が七夕だったっていう。


■この曲は作詞作曲共に千野さんがされていますが、歌詞とメロディーは同時進行で書かれたんですか?

千野:詞先なんですけど、自分で作曲しているので調整は全然しました。


■初めてメンバーの皆さんに聴かせた時の反応は?

千野:僕は打ち込んだりっていうことはしないので、弾き語りでワンコーラス録ったのを聴かせることが多いんですけど、反応は特にないですね(笑)。


■この曲は初めから懐かしさを感じるようなメロディーになっていますが、何かインスピレーションを得たものとかは?

千野:基本的に曲作る時とか歌詞を書く時は部屋にこもっているんですけど、幼稚園の頃の夕涼み会を思い出して書きました。なので、イントロのギターのフレーズとかはすごい意識して郷愁を誘うよううな、且つシンプルで幼稚園とかでも流れそうな感じを出しました。


■ジャケットについても伺いたいんですけど、このジャケット

千野:このジャケットは、ある程度歌詞ができてからデザイナーに書いてもらったんですけど、最初にくれたラフ画がかなり歌詞をくみ取っていてくれて、その中でも自分じゃピックアップしないようなところをピックアップしてくれたりしていて、そこからインスピレーションを得て歌詞を書き換えたり、なかなかないような経験ができました。


■具体的にそれはどの部分なんですか?

千野:歌詞の部分で言うと、「突然の夕立 かまうもんか浴びていこう」っていうところにしか雨の存在ってなかったんですけど、ジャケットで雨をピックアップしてもらったので、曲の最後に向けて“雨の中でも走っていこう”っていうメッセージを押し出した歌詞にしていった感じです。そのおかげで『雨天決行』っていうタイトルにたどり着いたんですよ。
歌詞を読んだ人にしかわからないアイテムがあったりもするので、曲を聴きながら楽しめるジャケットになっているんじゃないかと思います。


<最後に>


■50回目のワンマンライブに向けた意気込みを聞かせてください。

千野:今までで一番大きいところでのワンマンで、しかも野外なので、小雨ぐらい降って欲しいですね(笑)。そこから晴れ間がのぞくみたいな天気の演出ができたら。
これ意気込みとちょっと違う(笑)。
意気込みとしては、50回目っていうのもあるけど今の時点ではいつものワンマンと変わらず、毎回特別なものにしようとやっています。


■それではここでUtaTen名物ピックアップフレーズの紹介をお願いします!

千野:『雨天決行』では、「3年2組13番」が目立つ言葉だと思うんですけど、個人的には「持ち物確認 まずビンのふたでしょう?」のところが自分の小さい頃ビンのキャップを宝物のように持っていた記憶につながるというので気に入っています。ビンのふたっていう歌詞も見たことないですし(笑)。

『夏の大三角』はさゆりちゃんとかずきくんのお願い事のフレーズ!これは幼なじみです、本人には言ってなくて勝手に書いてます。もし聴いてくれて、電話とか久しぶりにかかってきたら面白いなって。ここはちょっと注目ポイントです。


■お二方とは会うことはあるんですか?

千野:去年のお盆にお休みを頂けたので実家に帰ったんですけど、その時にさゆりちゃんは本当に近所なんで車で通りかかって窓開けて「あぁ〜!」っていうのはありました(笑)。


■ありがとうございました。では最後に、UtaTenを見てくれた皆さんに一言お願いします。

千野:今回はいつになく前向きな歌詞が書けたので是非、夕立に負けずに、大人になっていろんな社会の悩み事が増えたり、たくさんの傷もできたりすると思うんですけど、それでも足は走れるはずなので、背中を押せたらなぁと思っています。


カメラマンクレジット:Viola Kam
Interview&Text:愛香

アーティスト

UtaTen

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