「闇金ウシジマくん」第1巻・真鍋昌平(小学館)

「闇金ウシジマくん」第1巻・真鍋昌平(小学館)

今さら聞けない『闇金ウシジマくん』
を読むべき理由

テレビドラマだけではなく、映画化もされるほどに実写版も好評だった『闇金ウシジマくん』ですが、原作マンガはまだまだ好評連載中です。
読むと落ち込んでしまうこと必至ですが、読む手が止められなくなってしまうほどの中毒性があるマンガです!

『闇金ウシジマくん』とは

『闇金ウシジマくん』は、真鍋昌平が『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)で不定期連載している青年マンガです。

本作は、主に金融会社「カウカウファイナンス」を経営する丑島の元に訪れる客の顛末を描く日常と隣り合わせのアングラ社会を描いています。

闇金に手を出す客たち

「カウカウファイナンス」は、思いっきり違法な利子の闇金であり、そこに訪れるのは大概、他の消費者金融では審査が通らない様な客や、何も考えずに安易に闇金に手を出してしまう様な客ばかりです。
彼らは自業自得なのかもしれませんが、一歩踏み間違えれば私達もそちらの世界に触れてしまうのではないかとゾッとしてしまいます。
オバケの出ないホラーマンガです。

客はおおむね救われない末路を迎えますが、その中には「バイトくん」編や「フリータくん」編の様にささやかな希望が描かれるエピソードもあります。
憂鬱になるエンディングばかりではないので、安心してください。

徹底した取材で日常に潜む暗部を描く

誇張こそされているものの、丑島の元に訪れる客は「身近にいるかもしれない」と思わせるほど、リアリティのある人々ばかりです。
真鍋昌平は日常のシーンを描くのが非常にうまく、『闇金ウシジマくん』以外にもアイドルオタクの闇を描いた短編『アガペー』などは、半年間丹念に取材してアイドルオタクの心理を絶妙に描き出しています。
闇金に金を借りる人に共感したくはありませんが、アイドルオタクの生活や心理ならばシンクロする人も多いのではないでしょうか。
もし『闇金ウシジマくん』の客たちに共感を覚えてしまった場合は、生活を改めた方がいいかもしれません。
下手な自己啓発本よりも、日ごろの自分を改めようと思わせてくれるマンガです。

裏社会のシステムが垣間見える

真鍋自身が何度も取材を繰り返している事もあってか、『闇金ウシジマくん』は闇金や風俗、出会いカフェのシステムやイベントサークルの暗部など、普段私達が知りえない世界を垣間見せてくれます。
もちろんマンガなので誇張はしているでしょう。誇張であってほしいとすら思ってしまいます。
『闇金ウシジマくん』は現行作品の中でも今1番有名なリアル系鬱マンガだと思います。
鬱マンガだけれど、読み終わった頃には「こうなりたくない」と背筋を正し、読者を奮起させる効果のあるマンガでもあります。
反面教師として活用する事も出来る実用的なマンガです。
「闇金ウシジマくん」第1巻・真鍋昌平(小学館)

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