クラシック音楽特集!初心者のための
年末年始クラシック曲

ミュージックソムリエ協会では、「こんな時に聴きたい音楽!」ということで、日常のヒトコマで、ふっと聴きたい音楽を選曲しました。選曲はすべて、ミュージックソムリエ(http://musicsommelier.jp)によるもの。
今回は、「クラシック音楽特集!初心者のための年末年始クラシックの楽しみ方」でお送りします。年末年始は、クラシック音楽に親しむ絶好のチャンス。今まで敬遠していた方も、是非この機会に、クラシック音楽を体感してみてください。音楽の楽しみが広がりますよ!

1.バレエ音楽「くるみ割り人形」/P.I
.チャイコフスキー

【クリスマスシーズンにオススメ】
クラシック初心者でも、曲名くらいは耳にしたことがあるのではないでしょうか。実はこの曲、クリスマスの曲なんです。クリスマス・イブの夜、パーティで少女クララが、ドロッセルマイヤー老人からプレゼントされたのが、くるみ割り人形。物語はそこから始まります。はつかねずみが登場したり、王子とお菓子の国に行ったり、スリリングでファンタジー溢れるバレエです。劇場で、生の舞台を見れば、優雅なバレリーナが躍る姿に感動すること間違いなし。もちろん音楽も素晴らしいので、オーディオで音楽を楽しむのもいいと思います。

2.「交響曲第9番 合唱付き」/L.v.ベ
ートーヴェン

【年末に向けて】
年末はなんと言ってもこの曲。曲は、4つの楽章からなっています。全曲を聴くと70分位かかるので、オーディオで聴く方には、一つの楽章ごとに聴くのがおすすめ。ぱーっとはじけて年末を過ごしたい人は、合唱が華やかに歌う第4楽章を。静かに1年を振り返りたい人には、第3楽章がおすすめです。
ちなみに、年末に第九の公演が多くなるのは、その昔、黒柳徹子さんのお父様が所属したオーケストラが、お正月の餅代稼ぎに、年末に第九公演を実施したのがきっかけだとか。
今年、第九を聴いて感動した方は、来年は是非、合唱団のメンバーとして舞台上で高らかに歌い上げてみてはいかがでしょうか。音楽の新しい扉が開かれると思いますよ。

3.バレエ音楽「ボレロ」/M.ラヴェル

【大晦日に聴きたい】
この曲のすごいところは、同じリズムが最初から最後まで繰り返される中で、たった2種類のメロディーが延々と繰り返されるところ。同じメロディーを各楽器が受け継ぎながら、壮大なクライマックスを築いていきます。
普通どんな曲でも、いろいろな変化をつけて、聴く人の耳を楽しませるものですが、この曲では、そんなことはせず、単純なやり方のみで、聴く人を惹きつけていきます。こんな曲、後にも先にもこの曲以外ありません。まさに、オーケストラの魔術師と言われたラヴェルの凄さです。大晦日に、1年を振り返るには、最高の曲です。
ちなみに今年は、100年に1人の逸材と言われているバレエダンサー、シルヴィ・ギエムが引退ツアーを行っていて、このボレロを踊ります。クラシックという枠を超えて、エンターテインメントに興味のある方なら、絶対に観ておいて損はない公演です。是非ご覧になってみてください。

4.「美しき青きドナウ」/J.シュトラウ
スII世

【元旦に打ってつけ】
新年は、爽やかに迎えたいもの。その爽やかで、すがすがしい雰囲気にピッタリのワルツです。毎年元旦にあるウィーン・フィルのニューイヤーコンサートで必ず演奏されるので、是非ご覧になってみてください。1年の幕開けにふさわしい気分が味わえます。
ちなみに、この作曲家のお父さんは、J.シュトラウス●世。ラデツキー行進曲という、アンコールで会場の手拍子とともに演奏される曲の作曲者です。親子で才能があるっていいですよね。

5.「交響曲第9番 新世界より」/A.ド
ヴォルザーク

【新年のスタートに】
年明け、思い切りエンジンを上げたい時はこの曲。力強くて、新しい何かを切り開いていくパワーがあります。ドヴォルザークは、自分自身の新しい未来を切り開いていくため、故郷のチェコを離れ、アメリカという新天地でこの曲を作曲しました。故郷を離れるのは、さぞかし辛かっただろうと思いきや、鉄道好きのドヴォルザークは、その頃最先端の鉄道があるアメリカに行くのが嬉しかったとか。人間、何が原動力になるかわかりませんね。
(選曲・文/藤井憲治)

著者:NPO法人ミュージックソムリエ協会

OKMusic編集部

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