Trick Daddy

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    Trick Daddyトリック・ダディ

    マイアミ・ベースを標榜する、US南部が誇る重鎮にしてオゲレツ極まりないヘンタイ・ラッパー、ルーク。2ライヴ・クルーのリーダーでもあるそのルークにフック・アップされてデビューしたのがトリック・ダディ(当時はトリック・ダディ・ダラーズ)である。
    トリック・ダディの印象を形容する時、必ず出てくるキー・ワードが“サグ”。じゃあ、サグってなによ? と訊かれると答えに臆してしまうが、まあ、“極道”とか“任侠”とかギャングスタ的ライフスタイルを漠然とイメージしてもらえばいいだろう。今となっては「2パック的生き方=サグ」という方程式が完成しているようだが、当たらずも遠からず、という感じだ。
    話が脱線したが、トリック・ダディである。彼はインディ・レヴェルで2枚ほどアルバムを出したあと、元ストリッパーにしてダーティ・サウスが誇るエロエロ女ラッパー、トリーナと共演した「ナン・ニガ」がスマッシュ・ヒットを記録、メジャー・レーベル<ATLANTIC>との契約にまでキャリアの駒を進めた。
    04年までに同レーベルから4枚ものオリジナル・アルバムをリリースしているトリック・ダディ。作品を出すに連れて、彼の大物オーラはどんどん色濃く感じられるようになっている。それはアウトキャストのビッグ・ボーイ、リル・ジョン、シー・ロー、ベイビー、リュダクリス、T.I.、イン・ヤン・ツインズら南部の巨頭たちとコラボレートした輝かしい経歴からも窺えるだろう。
    ちなみに最新作「サグ・マトリモニー」からのシングルでリル・ジョン制作、トウィスタ客演の「レッツ・ゴー」は全米ヒット・チャートでトップ10に食い込んでいる。ダーティ・サウスのサグ虎がまだまだチャートを荒らしてくれそうだ。