The X-Ecutioners

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    The X-Ecutionersエクセキューショナーズ

    ターンテーブルを操ってひとつの音をまとめ上げる。
    ビートや声ネタを構築して音楽を創作する。
    ビート・ジャグリング、スクラッチ、曲の構成……そこに美学を見出し、道を作る。その道をターンテーブリズムと呼ぶ。いや、その道を極めんとするターンテーブリストたちの意識をターンテーブリズムと呼ぶのかもしれない。
    もちろんその道は、スクラッチの始祖セオドアを含めれば数え切れないほどのDJたちによってその基盤が作り上げられたわけである。
    で、そのターンテーブリズム界の第一世代として頂点に君臨したのが、(94年のターンテーブリストたちの祭典=DMCで優勝したことからも判然する通り)紛れもなく元X・メンとして知られたこのエクセキューショナーズだ。
    89年に結成されたエクセキューショナーズは、ウェスト・コーストを根城にするビート・ジャンキーズやインヴィジブル・スクラッチ・ピクルズらと並んで、ターンテーブルが真の楽器として機能することを正確無比のプレイをもって世界に実証してきた。その道を追った“子供たち”のなかにはネッド・ホディングスやDJ KENTAROが含まれるわけである。
    彼らは現在に至るまで、数々の信じられないほどトリッキーな技でリスナーや観客を魅了し続けてきた。97年に1stアルバム『エクスプレッションズ』がリリースされると、その革新的な試みにより多くのヒップホップ・マニアたちから賞賛を浴びた。また、それら録音作品の素晴らしさ同様に、ライヴを通じても彼らはその非凡な才能を世に知らしめてきた。特にボディ・トリックなどにおける強いエンターテインメント性が彼らのカラーでもある。
    05年現在では、メンバーの改編による改編でロック・レイダー、トータル・エクリプス、DJブギー、DJプレシジョンの4人をコア・メンバーとして活動している。
    作品としてはオールドスクール・テイストと未来性を巧みにブレンドさせた『レヴォリューションズ』(04年)が最新作である。