ラウンジ・リザーズがジャズ界からパンクへの返答としてリリースした驚愕のデビュー作『ザ・ラウンジ・リザーズ』
以前に取り上げた、ニューヨーク・パンクのコンピ盤『ノー・ニューヨーク』(‘78)で、圧倒的な存在感を漂わせていたのがD.N.Aのアート・リンゼイ。そのアートがD.N.Aと並行して参加していたのがラウンジ・リザーズだ。このグループはパンクロックにかなり影響されていて、ジャズバンドにもかかわらず破壊的なサウンドが持ち味だった。彼らのノンジャンル性は、ロックとジャズ双方に影響を与え続けたと言っても過言ではない。特に、今回紹介するデビュー盤『ザ・ラウンジ・リザーズ』におけるアートの切れ味鋭いプレイはギター演奏の常識を覆し、その後多くのフォロワーを生むことになる。ただ、アートは本作リリース後、ギターのチューニングすらできないという理由でグループを解雇されているため、2枚目以降はパンク的な要素が半減してしまった。