ロックアーティストのテクニック向上に大きな役割を果たした『スーパー・セッション』
1968年にリリースされた本作『スーパー・セッション』こそ、ジャムセッションという概念をロック界に定着させた最初の作品であり、実際にジャムセッションを通して、後のロックアーティストたちの演奏技術が大幅にレベルアップすることになった。仕掛け人は天才アル・クーパー。これまで、このコーナーでは彼が関わった数枚のアルバムを取り上げてきたが、60年代後半から70年代中期にかけて彼がロック界に残した功績は非常に大きい。それまで歌のバックを務めることがメインであった楽器群にスポットを当て、各プレーヤーに演奏することの重要性に気付かせ、即興演奏や高い表現力を求めることになった。本作の存在によって、ロックの進化の方向性が決まったと言っても過言ではない。ロック史に残る最も重要なアルバムのひとつだろう。