【SOIL&“PIMP”SESSIONS joint ハナレグミ】『ニコニコツアー2011』2011年6月23日 at 恵比寿LIQUIDROOM
他のバンドやアーティストと競演・共演することをテーマにした、SOIL&“PIMP”SESSIONSの『ニコニコツアー』。LIQUIDROOMで行なわれた東京公演の初日は、ハナレグミとの共演だった。
SOILの“インスト”とハナレグミの“歌”がどうクロスし、どういう変化をもたらしてくれるのか。それが、誰もが一番に持っていた関心だったと思う。踊らせることと聴かせることを、ライヴという決められた時間の中でどう結び付けていくのか。結論から言うと、SOILとハナレグミは、僕らのイメージをはるかに超えた部分で、互いの音や歌を引き出しながら、SOIL+ハナレグミという新しいバンドの音を構築してくれた。ジャズをベースにしたダンスミュージックとソウルやリズム&ブルースをバックボーンにしたハートフルな歌。かつてハナレグミは、SUPER BUTTER DOGを組んでいたように、ファンクもお手のものだ。つまり、個々に持っているものは、ブラックミュージックへの憧憬。そこに、同年代が抱えるクラブカルチャーを経て、自分の音楽を構築している。根本にあるもの、そして育ってきたものは変わらない。そんなことを、この夜の演奏を聴いていて感じていた。
SOILもハナレグミも、発せられる音楽には強烈な個性を持っている。その強烈な個性を、殺し合うことなく複合させる。ハナレグミがゲストで加わったということではなく、新しいメンバーとして新しいバンドを作った。そんな感覚を受けたライヴだった。名古屋公演もハナレグミと共演したが、この2日だけではもったいないと思えるセッションだった。