Rush Hour 2

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    Rush Hour 2ラッシュアワー・トゥー

    今やすっかりハリウッド・スターとなった香港の映画アクター=ジャッキー・チェンと、ポスト・エディ・マーフィーともいわれる俳優/芸人/(時に)ラッパー=クリス・タッカー。彼らが捜査官に扮し、ロサンゼルス/ラスベガスを舞台にしてさまざまな事件に巻き込まれていく痛快アクション・ドタバタ・コメディ映画が『ラッシュアワー』である。ここで紹介するのはその続編、『ラッシュ・アワー2』のサントラ。全米封切り後3日間で、約6,680万ドル(80億円超)もの興行記録を打ち立てた、大大大ヒット・ムーヴィのOSTだ。
    老舗ヒップホップ・レーベル<DEF JAM>発である本サントラ。まさに“お祭り騒ぎ”的な絢爛豪華さと、ここでしか実現しないアーティストの組み合わせの妙味が味わえる逸品になっている。まず注目すべきはなんといっても、宇多田ヒカルのナンバーが収録されていることだろう。フィーチャリングに、ビッチ系ラッパーのフォクシー・ブラウンを迎えた、実に異色なコンビネーションが楽しめる1曲だ。で、いざフタを開けみると、そのふたりの間にはまったく不自然な感じはなく、ヒカルのネイティヴな発音による気負いのない歌声と、フォクシーのやや控え目なラップが巧みに絡み合う、極上のR&Bナンバーが展開されている。
    その他にもメソッド・マン&テディ・ライリー、メイシー・グレイ&スリック・リックといった“ソソられる”共演を始め、ミュージック(・ソウルチャイルド)、L.L.クール・Jなど、新人からベテランまでが漏れなく参加。メインストリーム・ヒップホップ/R&Bの今を切り取った、あまりにもオイシイ内容である。