Roy Wood

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    Roy Woodロイ・ウッド

    "奇才"という言葉がこれほど似合う人物もそういない。顔には歌舞伎のクマドリにも似たペインティングを施し、ド派手を通り越した分裂症気味のファッション。——ルックスだけ見ても、そのエキセントリックなセンスがわかろうというもの。そしてザ・ムーヴに始まり、初期ELO、ウィザードと、常にストレンジなポップ・ワールドで聴き手を煙に巻く。ハマれば、ハマるほど理解不能になっていくという不思議な個性である。
    ロイの音楽性は幼い頃よりたしなんだクラシックとロックンロールがルーツ。特にアメリカン・ポップスへの憧憬はハンパじゃなく、ビーチ・ボーイズ/エヴァリー・ブラザーズ/フィル・スペクター/エディ・コクラン……などから受けた影響を基に、サックスやチェロ、バグパイプまで導入した過剰なアレンジがサウンドの肝となる。
    正式なソロ作はウィザードの活動と並行しながら制作された『Boulders』(73年)と『Mustard』(75年)、グループ解散後に発表された『On the Road Again』(79年)、『Starting Up』(86年)と今のところ4枚のみ。どれもフックの効いたメロディと多重録音による完璧主義的ポップが楽しめるだろう。
    また、サイド・プロジェクトとしてフィル・ライノットとのロッカーズやヘリコプターズなどがある。

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