HR/HMのテンプレートをつくったモントローズのデビューアルバム『ハード☆ショック!』
エドガー・ウィンター・グループ名義では初のアルバムとなる『ゼイ・オンリー・カム・アウト・アット・ナイト』(’72)に収められた「フランケンシュタイン」は、インストであるにもかかわらずシングルカットされ全米1位を獲得する。この曲はジャズロックやプログレのテイストを持っており(今でいうフュージョン)、当時のアメリカンロックの中においてはまったく新しい画期的なスタイルであった。ここで聴けるエドガーのシンセソロとロニー・モントローズのギターソロは絶品で、特にロニーのアメリカ人でありながらブリティッシュロック然としたフレージングは新鮮であった。このアルバムに参加したのち、彼は自らの名を冠した4人組グループのモントローズを結成する。今回取り上げるモントローズのデビューアルバム『ハード☆ショック!(原題:Montrose)』(’73)は、最初から最後までハードにドライブしまくっており、そのサウンドは本作以降のハードロック/ヘヴィメタルのスタイルを確立した重要作品だと言えるだろう。