70年代〜のスカ/レゲエ界に燦然と輝くトロンボーン奏者リコ・ロドリゲスの大傑作『Man From Wareika』
4月に社会人になったばかりという青年と仕事をすることになり、いろいろ話した。中学生の頃、吹奏楽部に入っていて、トロンボーンとチューバを担当していたとか。今もトロンボーンは自室にあるものの、残念ながらずっとケースにしまったままだという。やりたい気持ちはあるというので音楽活動の再開を勧めたものの、青年は何をやったらいいか分からないとのことだ。試しにトロンボーンがらみというだけで選んだ音源をプレゼントしてみた。1枚はニューオリンズを代表するブラスバンド、ダーティー・ダズン・ブラスバンド、もう1枚がリコ・ロドリゲスの『Man From Wareika』(‘76)だった。翌日、嬉しそうな顔で社交辞令たっぷりに感想を伝えてくれたのだが、ダーティ・ダズン〜はともかく、リコ・ロドリゲスのほうはすご気持ち良かったのだけど、「あの♪ンッチャ、ンッチャ〜っていうリズム、なんて言う音楽なんですか?」と一瞬愕然とする回答があった。うーむ、Z世代ではもはやスカもレゲエも知らない者がいるのか…。というわけで、気を取り直して、この名盤を取り上げてみる。