Red Krayola

967 views

    Red Krayolaレッド・クレイオラ

    最近では、ジム・オルークやジョン・マッケンタイアといったシカゴ音響系のアーティストとの交流により、若い音楽ファンにも多大な支持を受けているカルト・アイドル、レッド・クレイオラ(というよりメイヨ・トンプソン)。
    その歴史は古く、サイケデリックの嵐が吹き荒れていた60年代後半、テキサスにて結成される。散文的インプロヴィゼーションを中心とした歪んだカントリーやアシッド・フォークをアヴァン・ポップ的に展開。しかし、その骨髄を貫くのは、メイヨの歌心であることは間違いなく、狂気の音海の中に美メロが一瞬顔を出す瞬間は息を飲むほど美しい。
    そして、本能の赴くままに面白い音楽を追いかけるメイヨは、70年代後半にはロンドン、80年代前半はドイツのデュッセルドルフ、90年代にはシカゴ……と舞台を次々に移しながら、ねじれたフォークロア感覚をより先鋭にしていった。その旅の途中で、パンク/ニューウェイヴ/エレクトロニカ/ヒップホップなどを消化しながら……。
    これぞ"ザッツ・エンターテインメント"ならぬ"ザッツ・エクスペリメンタル"。彼の音楽をめぐる冒険は、これからも続くだろう。