Rascalz

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    Rascalzラスカルズ

    アメリカに比べてカナダ産ヒップホップは、世界の僻地=日本だと圧倒的に情報量が少ない。だが、フランケンシュタイン、ソクラテス、カーディナル・オフィシャル、スウォールン・メンバーズ、キッド・コアラなどのアーティスト作品は積極的に輸入されている。さらに最近(05年)では、カナダ産アングラ作品もどんどんインポートされるように(確かにそのサウンドはアンチコンの亜流的様相だ)。それはマッケンローやピップ・スキッド、ファクター、バック65、ジョッシュ・マルティネス……などである。さて、熱心なリスナーならご存知だろう、この5人組のラスカルズのことも。
    メンバー構成がMC/DJ/グラフィティ・ライター/ブレイクダンサーで、彼らはヒップホップの4大要素を一挙に揃える珍しいグループだ。97年にアルバム『キャッシュ・クロップ』でメジャー・デビューを果たし、99年には2nd『グローバル・ワーニング』をリリース。ビート(リズム)に絡みつく粘着性の強いラップはかなり印象的なものである。それが仄かにアンダーグラウンド臭漂うタイトなトラック群と見事に接着して、実に小気味よくて軽快な響きを創り出している。また、どの楽曲もその完成度においてすこぶる高いものであり、本家アメリカに負けず劣らずのクオリティを誇示している。そんなラスカルズはカナダで非常に大きなコマーシャル・サクセスを果たしたそうだ。ロッティン・ラスカルズ(なんて誰も知らないか)やディジー・ラスカルらと混同しないように。