サイケデリックロックの代表格として知られるクイックシルバー・メッセンジャー・サービスの名盤『ただ愛のために』
1950年代の中頃、既にはじまっていたフォーク・リバイバルの波はロック界にも浸透し、ディランがフォークロックの道を進み始めた60年代中期から、生ギターをエレキに持ち替える若者が激増した。今回紹介するクイックシルバー・メッセンジャー・サービス(以下、QMS)のメンバーたちも東部から西海岸サンフランシスコへと流れ、サイケデリックロックの源流となった。サンフランシスコでは、ジェファーソン・エアプレイン、グレイトフル・デッドと並ぶ3大グループとされ、ヒッピーたちから神格化されていた。チャートを賑わせるようなグループではなかったため日本ではあまり知られていないが、4作目となる本作『ただ愛のために(原題:Just For Love)』は典型的なサンフランシスコ・サウンドが詰まったサイケデリックロック(アシッドロック)の名盤だ。