ライドンの歪んだ叫びが脳を刺激するパブリック・イメージ・リミテッドの『セカンド・エディション』
78年にセックス・ピストルズが空中分解し、メンバーのシド・ビシャスが亡くなった時点でパンクロックは一応の役目を終えた。“一応”というのは、パンクの精神はその後も生き続け、ハードコア、グランジ、オルタナティブなど、表面的にはさまざまな形態に変異しながらも、その精神はしっかり引き継がれているからだ。ジョン・ライドン(元ジョニー・ロットン)はピストルズを抜けた後、ジャマイカに行き新しいグループの構想を練った。そして、イギリスに戻って結成したのがパブリック・イメージ・リミテッド(以下、P.I.L)である。今回取り上げる『セカンド・エディション』は彼らの2ndアルバムで、当初は『メタルボックス』というタイトルでリリースされた。ダブ(DUB)を取り入れた硬質のファンクサウンドに乗ってライドンの歪んだ叫びが響く様は、まさに異形という言葉が相応しい唯一無二のサウンドである。