Peter and the Test Tube Babies

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    Peter and the Test Tube Babiesピーター・アンド・ザ・テスト・チューブ・ベイビーズ

    ディスチャージやG.B.H.ほどのビッグ・ネームではないが、80年代初頭にレコード・デビューをしたパンク・バンドの中でも、ピーター・アンド・ザ・テスト・チューブ・ベイビーズは日本でも根強い人気がある。97年には日本ツアーも果たした。
    結成は78年。ロンドン南のブライトンにおいてである。当時のメンバーの平均年齢は15歳だったそうだ。「Banned From The Pubs」(パブから締め出し)、「Run Like Hell」(死にものぐるいで逃走)という2枚のシングルのあと、82年に<NO FUTURE>から1枚目のアルバム『Pissed And Proud』をリリースする。
    1stであるにもかかわらず、『Pissed And Proud』はライヴ盤だった。彼らの前のパンク・バンドでは、シャム69の1stアルバムが前半部だけライヴだった。そういえば、パンクのルーツともされるMC5の1stも全編ライヴだった。いずれにしろ名刺代わりともいえる1stだからこそ、自分らが本領を発揮できるライヴ盤にしたのだろう。その内容の素晴らしさはセールスにも結びつき、英国のインディ・チャートの1位にランク・インもした。
    ピーター・アンド・ザ・テスト・チューブ・ベイビーズのサウンドは、ハードコア・パンク的な速さと荒さもあるが、キャッチーでポップなところがチャーム・ポイント。そういえば『Pissed And Proud』では、パンクのルーツの一つでもあるゲイリー・グリッターの「I'm The Leader Of The Gang」もカヴァーしていた。キャラクターとしては、自分らなりにビシッとキメようとはするがある意味でカッコよすぎず、ちょいとヘタレなところも人気の秘密のようだ。
    2nd以降も、マイ・ペースかつコンスタントに作品をリリースしている。 "継続は力なり"という言葉はパンクにも通用するのだ。(行川和彦)