Pascal Roge

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    Pascal Rogeパスカル・ロジェ

    フランスのエスプリをこれほどまで豊かに表現できるピアニストは、ロジェをおいて他にはいない。彼の描き出す音の世界は、洗練された響きから生まれる繊細な美しさや生き生きとした表情など、まさにフランス絵画を思わせる瑞々しい色彩に溢れている。
    51年パリの音楽一家に生まれ、11歳の時パリでデビュー。パリ音楽院をピアノと室内楽で一等を得て首席で卒業後、技巧派で知られたジュリアス・カッチェンに師事した。その磨き抜かれたテクニック、明るい音色と透明感あるタッチというロジェの魅力は、カッチェンを受け継いだとも言われている。71年ロン=ティボー国際コンクール優勝で一躍脚光を浴び、フランスを代表するピアニストとして国際舞台での精力的な活動を開始した。録音もデッカの専属として数多く行ない、特にデュトワとのラヴェルの2つの協奏曲でディスク大賞とエディソン賞を受賞、プーランクのピアノ曲集と、ジュイエ/モルクと共演のラヴェルではグラモフォンのベスト器楽録音賞を2度受賞。また、フランスものばかりでなく意外にもブラームスなどのドイツ作品も得意としており、CDや演奏会でもたびたび取り上げ絶賛を博している。