第2期ドゥービーズを率いたマイケル・マクドナルドの初ソロ作『思慕(ワン・ウェイ・ハート)』はAORの傑作
「ロング・トレイン・ランニング」や「チャイナ・グローブ」などの大ヒットを持つドゥービー・ブラザーズは、トム・ジョンストンとパット・シモンズのツートップを中心にして、カントリーロックからハードなアメリカンロックまで幅広いサウンドで勝負したグループだった。75年にトム・ジョンストンが健康状態の悪化で休業を余儀なくされたため、急遽代役として呼ばれたのがスティーリー・ダンのメンバー、マイケル・マクドナルドである。彼の参加でグループの音楽は、それまでの骨太で田舎風のロックから、AOR寄りの都会的なサウンドになった。75年の『スタンピード』までの第1期と76年の『ドゥービー・ストリート』以降の第2期では、違うグループになったと言ってもいいだろう。今回は第2期ドゥービーズを率い大成功へと導いたマイケル・マクドナルドが82年にリリースし、全米チャート6位まで上昇した彼の初ソロアルバム『思慕(ワン・ウェイ・ハート)(原題:If That’s What It Takes)』を取り上げる。