Mario Winans

P・ディディの主宰レーベル＜BAD BOY＞に所属するR＆Bシンガー、マリオ・ワイナンズ。しかし、彼は“P・ディディの片腕”や“サウンド面での影武者”とも目されるプロデューサーでもある。いや、むしろP・ディディ、ビヨンセ、R.ケリー、メアリー・J. ブライジ、ノトーリアス・B.I.G.らスーパー・ビッグ・ネームたちの楽曲を手がけてきた彼は、シンガーとしてよりもカリスマ的な腕前を持つトラック・メイカーとして世間に認知されているかもしれない。
ゴスペル一家（ワイナンズ・ファミリーと呼ばれるソレだ）に育った彼は、小さい頃からドラム、ピアノ、そしてゴスペルを始めとする歌唱の英才教育を受けていた。幼少期から培われた才能は大人になるに連れて芽吹き、鮮やかな華を開花させ、そしてなんとも素晴らしい大きな実をつけた。そのひとつが、彼が04年に発表した『ハート・ノー・モア』（デビュー・アルバム『ストーリー・オブ・マイ・ハート』に続く２nd作）だ。なんとも甘く、艶っぽく、そして瑞々しい実をつけたものである。