M-Boogie

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    M-Boogieエム・ブギー

    US西海岸のアングラ・レーベル<BLACK BERRY>及び<ILL BOOGIE>の主宰者であり、素晴らしきプロデューサーでもあるM・ブギー。さまざまなアングラ・チューンを監修/コンパイルしたアルバム『レイド・イン・フル』(99年:このタイトルからも彼のヒップホップ愛好精神が窺える)などや、良質な自己名義シングル群を精力的にリリースしている。もちろん、若手ラッパーの発掘→育成にも熱心だ。
    そんな彼のサウンドの特徴は、やはり芯の太いビートが生み出す独特の“ハネ感”に尽きるだろう。彼はその「ズシッ」と重たく響くキック音や硬質なスネア音を、見事なシーケンス・テクニックにより構築。例えるなら、それらはDJプレミアが創出したフューチャー・ファンク的ヒップホップの質感に近いか。そういうオーソドックスでありながら的確な音作りの手腕は、確実に世界中のヘッズの心を掴んでいる。
    で、今ほどDJプレミアの名前が挙がったが、M・ブギーのサウンド・カラーは正しく「90年代中頃の東海岸モノ」という雰囲気である。彼はウェッサイ・アングラに根城を築きながらも、ゴールデン・エイジなN.Y.ヒップホップを愛して止まないのだ。ハードコア番長マイキル・マイアーズだって、西のM.O.P.やフレディ・フォックスと言えなくもない、でしょう?