デビュー時から独自のルーツ志向を突き進むロス・ロボスの『ハウ・ウィル・ザ・ウルフ・サヴァイヴ?』
チカーノ・ロックの大スター、リッチー・ヴァレンスの生涯を描いた87年の映画『ラ・バンバ』で主題歌を歌い全米1位を獲得、一気にその名が知られたロス・ロボス。彼らもヴァレンス同様、メンバーのほぼ全員がチカーノである。チカーノとはメキシコ系アメリカ人を指し、チカーノロックとは文字通りメキシコ系アメリカ人のルーツを生かしたロックのことである。サンタナやマロなどもチカーノロックと呼んでも差し支えはないが、年配の人間にとってはラテンロックという呼び方のほうが親しみやすいかもしれない。今回はチカーノのルーツを大事にしながらもロックの楽しさをいっぱい詰め込んだ彼らの3枚目のアルバム『ハウ・ウィル・ザ・ウルフ・サヴァイヴ?』を取り上げる。