ジョニ・ミッチェルの『ブルー』はシンガーソングライターとしての名声を確立した初期の傑作
70年代初頭に巻き起こったシンガーソングライターのブームは、当時の音楽ファンにとってはワクワクするような体験であった。次から次へと新しい魅力を持ったミュージシャンが登場するのだから当たり前だが、それにしても多くの才能が現れたもので、今でも不思議なぐらいの大きな収穫期であった。ジェームス・テイラー、キャロル・キング、ジャクソン・ブラウン、カーリー・サイモン、ニール・ヤング、ジェリー・ジェフ・ウォーカー、ブルース・スプリングスティーンなどなど…この頃にデビューした新人たちは、今でも活躍している人が多いのも特徴だ。これらの才能あふれる自作自演歌手の中でも、特に光り輝いていたのがジョニ・ミッチェルではないだろうか。今回は彼女のクリエイターとしての才能が花開いた初期の傑作『ブルー』を紹介する。