Joao Gilberto

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    Joao Gilbertoジョアン・ジルベルト

    ジョアン・ジルベルトは、1931年6月、ブラジルに生まれた。このジルベルトという名前は、今ではすでにボサ・ノヴァの代名詞といえるだろう。
    ギタリスト兼ヴォーカリスト兼作曲家であるジルベルトは、ブラジル発祥のサンバの伝統的リズムとメロディを吸収して育ったが、ラジオで耳にしたジャズやその他のアメリカン・ミュージックにも徐々に魅了されたという。50年代初めにカラフルな文化が交じり合うリオ・デジャネイロに移住する頃には、優れたギタリストであり作曲家であるアントニオ・カルロス・ジョビンにインスパイアされ、まもなく彼とのコラボレーションを開始することになる。
    10年を経て、ジョアンの楽曲「Bim Bom」をレコーディング。この作品でかなりの成功を収め、2人はボサ・ノヴァ・サウンドを確立した。その後、天才サキソフォン・プレイヤー、スタン・ゲッツとアメリカ人ギタリストであるチャーリー・バードが世界的なムーヴメントとなったが、この2人がボサ・ノヴァをアメリカに持ち込んだことによって、ボサ・ノヴァ黄金期とジルベルトの真のスターダム時代が始まったのである。有名な62年に録音されたゲッツとバードのジャズ・サンバは、ジョビンとジルベルトの作品こそが呼び物であり、この作品がボサ・ノヴァを音楽系図に真っ向から引き上げたといえるだろう。
    ロマンティックにささやくようなポルトガル語の歌詞とメロウなギター伴奏による、洗練されたジョアンの音楽——あっという間に多くのリスナーに愛されヒットしたこの音楽は、ジョアンの妻であるアストラッド・ジルベルトを表舞台に引き出すことにもなり、かの傑作「イパネマの娘」を生み出すに至った。

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