ジャニス・ジョプリンの『パール』は彼女の最高傑作であり、ロックとは何かを問いかけ続ける問題作!
1970年10月4日、新作のレコーディングのために滞在していたホテルで、ジャニスはヘロインの過剰摂取によって亡くなっていた。同年9月にスタートした新作のレコーディングは、彼女の歌入れを1曲残すだけであったが、残念ながら完成はしなかった。その完成しなかったアルバムこそが、彼女の代表作であり最高傑作となった『パール』である。歌入れが永遠に不可能になった曲は、皮肉にも「生きながらブルースに葬られて」というタイトルだ。アルバムにはすでに完成していたバックトラックの演奏のみが収録されることになった。彼女の死後、3カ月後にリリースされた本作は、全米チャートで9週間にわたって1位に輝いたのだが、これは彼女への追悼を表すという理由ではなく、純粋にすぐれたアルバムであったからである。