Isocracy

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    Isocracyアイソクラシー

    バンド単独でのリリースは7インチ1枚と少ないながらも、アイソクラシーの存在は当時のイーストベイ・パンク・シーンを語る上で欠かせないモノだ。ジャンル分けすればハードコアに属するだろうそのサウンドは、ヴォーカルの若さ溢れるシャウトと独自のユーモア・センスにより、けして重たくなく、女子中学生からOLまでが楽しめるほどに間口が広い。では誰もが楽しめるのかと言えば、そこはやはりハードコア。メロディがあってもけしてメロメロでなく骨太のサウンドが通底しており、にわかパンク・ファンのヤサ男/ギャル男などの介入は一切許さないのである。そういったある種絶妙なバランス感覚を持っていたアイソクラシーだが、ヴォーカルとベースはエモ・パンク・バンド=サマイアムを結成、ドラムスはメロコア・バンド=グリーン・デイの初期メンバーとなり、ギターはゴリゴリのハードコア・バンド=フィルスのメンバーとなる。結果として、アイソクラシーの稀有なサウンド・スタイルは、バラバラに崩壊してしまうのだ。