Godspeed You ! Black Emperor

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    Godspeed You ! Black Emperorゴッドスピード・ユー・ブラック・エンペラー

    94年、Efrin MenuckとMauro Penzzenteの2人によって、カナダのモントリオールにある廃墟のような建物で活動を開始。バンド名は日本の暴走族“ブラックエンペラー”を題材にしたドュメンタリー映画『ゴッド・スピード・ユー! BLACK EMPEROR』(76年/柳町光男監督)からとられたという。
    友人たちにパフォーマンスを披露し、それに感化された仲間を巻き込んで、音楽・生活・政治的な1つのプロジェクトとして形成されていった彼ら。94年に、『all lights fucked on the hairy amp drooling』を僅か33本のみのカセット・テープで発表。00年には日本でも『f#a#∞』と『リフト・ユア・スキニー・フィスツ・ライク・アンテナズ・トゥ・ヘヴン!』という2枚のアルバムを立て続けにリリースし、同年11月に原宿アストロホールにて初来日公演も行った。ちなみに、メンバーの出入りが激しいことはよく知られているが、基本的なメンバーは、3人のギタリスト、2人のベーシスト、2人のドラマー兼パーカッショニスト、ヴァイオリニスト、チェリストの計9名。
    彼らの音楽はキャッチーなフレーズやハイテンションなビートで、聴き手をさらっていくようなことを決してしない。全神経を研ぎ澄まし、嗅ぎつけようとした瞬間、聴く側はその深遠なる世界に誘われるのである。音をアウトライン化しない、量感の音楽。呼吸をゆっくり整え、聴く。それは聴くという行為をただ解放へ向けるポップスとは違い、ある種の忍耐が必要であることは彼らの作品を聴いた者には明らかだろう。
    ゴッドスピード・ユー!ブラック・エンペラーの音楽は規制のロック・バンドを遥かに逸脱した、およそ交響曲とも組曲とも呼ぶにふさわしい代物である。軋り上げるギター・シンフォニー、荒れ狂うヴァイオリン、悲しみに満ちたチェロの旋律。右も左もない無彩色の果てしない地平線。生暖かい空気。朝とも昼とも夜ともいえぬ時間軸。彼らの音楽とは最果てを想像させるに十分な破壊力と可能性を秘めているのだ。

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