Glenn Gould

2038 views

    Glenn Gouldグレン・グールド

    とてつもない天才ピアニスト。「とてつもない」とは? ——その演奏を聴けば、その意味は誰にも一目瞭然。リズム/テンポ/アクセント……どれもが強烈で躍動感に満ち、痛快とさえ感じられる。「ジャズ風」などと評されることもあるが、もっとも彼にはそういった意識はない。奇抜な新しい演奏を目指したのではなく、作品や作曲家を愛するがゆえの解釈なのである。それは、彼の全生命や限りない愛情が、一つ一つの音に込められているのを聴けば、納得がいくだろう。
    1932年トロントに生まれ。14歳でトロント交響楽団と共演し、デビュー。55年に、当時誰も取り上げることのなかったバッハの「ゴルトベルク変奏曲」を弾いてアメリカ・デビューを果たし、57年にはカラヤン/ベルリン・フィルとの共演でヨーロッパ・デビューを飾る。しかし、64年からは一切のコンサート活動を停止、レコーディングに専念することとなった。レパートリーは幅広いが、バッハ演奏はとりわけ高い評価をされており、バッハといえばグールドを思い浮かべる人も多い。また作曲家としても、いくつか作品を残している。
    夏でも冬並みの支度をして外出したりビタミン剤を常用したりと、健康には異常なほど気を配っていたが、82年、50歳で急逝した。
    演奏をしながら歌い、体を揺すり(しかも曲に合っているとは限らない)、椅子の高さを極端に下げ、背を丸め、今にも壊れそうな愛用のピアノからは驚くほどデリケートな音色……。この独特の世界に魅せられる人は、後を絶たない。

    Glenn Gouldのニュース

    Glenn Gouldの画像