Gargoyleがインディーズバンドの威信をメジャーにぶつけた初期の集大成『天論』
“結成○周年”とか“デビュー○周年”と謳っているアーティストやバンドは基本的には十分に祝福の対象なのだが、さすがに中抜けがすぎると興醒めだ。例え20周年、30周年であっても5年以上活動休止していたりすると、そこは差っ引いて考えたほうがいいのではないかと思う。まぁ、音源や映像作品は工業製品ではないのでコンスタントに出せばいいというものではないし、ライヴに関しても毎年毎年やればいいというものではない。それは分かってはいるが、それでも活動を継続してこその周年だろう。その点で2017年に結成30周年を迎えたこのバンドは本当にすごいと思う。人呼んで“ライヴハウスの帝王”、Gargoyleである。結成以来、ライヴを欠かした年はなく、ここまでの通算ライヴ本数は優に1,300本超。オリジナルアルバムは全17作品で、約2年に1度のペースで発表しており、ミニアルバム、ベストアルバム、シングル、映像作品を含めると、作品リリースを欠かした年はない。それでいて1996年からはメジャーレーベルを離れて、インディーズで活動──つまり、マネジメント、レーベル運営を自らで行なっているというのだから、その孤高の存在感はまさしく“帝王”と呼ぶに相応しいバンドである。