Gaetano Donizetti

ロッシーニやベッリーニと共に、19世紀初頭のイタリア・オペラを代表するトリオと呼ばれる作曲家。初期はロッシーニの影響を強く受けた作品が多く、それほど高く評価されていないが、1830年代以降は、ベッリーニの成功に触発されて、叙情に富んだ作品を次々と発表。——ロマン派オペラの開拓に貢献した。
ベルガモとボローニャで音楽を学び、オペラ作曲家をめざすが、父親に反対され軍隊に入る。しかし、軍務のかたわら作曲を行い、いくつものオペラで成功を収めたため、作曲に専念することを許された。ミラノで上演された『アンナ・ボレーナ』は、北米や南米でも採り上げられ、彼の名声は一躍国際的なものとなる。
ドニゼッティは、１年間に何作ものオペラを書くことができる速筆で、生涯を通じて70曲にもおよぶオペラを残した。またオペラ以外でも、管弦楽曲や室内楽曲など、多くの作品を書いている。