フー・ファイターズの『ソニック・ハイウェイズ』は、アメリカ音楽全体を俯瞰した大作
2014年にリリースされたフー・ファイターズの8thアルバムは、アメリカのポピュラー音楽を生み出してきた著名な8つの土地に出向き、レコーディングされた作品だ。各地で収録された全8曲は、1曲ごとに物語がある。決して録音場所と曲の内容がリンクしているわけではないが、本作はデイブ・グロールのアメリカ音楽(ロックだけではない)への想いがしっかりと伝わってくる力作となった。この作品が他のロック作品と異なっているところは、各曲が収録された場所についてのドキュメンタリー番組がCD発売に併せて放映されたことにある。一昨年、日本でもWOWOWで8時間(1曲について1番組、計8時間弱)分を放映していたのを観たが、どれもかなりの予算で作られており、後世に残すべき名ドキュメンタリーに仕上がっている。そんなわけで、今回はフー・ファイターズの20周年記念作『ソニック・ハイウェイズ』を取り上げる。