FLYING PUPA

アメリカから日本へ輸入されてきたヒップホップも、トラック・メイキングに関しては本国に引けを取らない……むしろ、より高いクオリティを呈示するまでに成長している。それを「Can It」（98年）、「None Better」（99年）、「WERDZ」（00年）といった海外アーティストとのコラボレーション作品で証明してみせたのが、YUJIROとANDOから成るプロデュース・チーム、FLYING PUPAだ。彼らは共同でトラックを制作することはないが、各々の作品で持ち味を遺憾なく発揮する。芯の太いビートにブリブリのベースを絡めるドッシリとしたサウンドが特徴のYUJIROに対し、精巧を極めたサンプリング処理でメロディアスに仕上げるANDO。——共に、ラッパーの魅力を最大限に引き出すプロダクション・センスは、秀逸の一言だ。